【あんスタ】転校生と愉快すぎる仲間たち。（２） (ページ17)

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文化祭前日！ページ17

そしてついに文化祭前日となった今日この日。

「葵、予備のグラスを追加で持ってきてくれ。」
「了解でーす！」
「センパイ、ちょっとここきついヨ。」
「分かりました、少し緩めますね～」
「つむぎさまの作ってくれたこの衣装、すっごく可愛いっ！ボクにピッタリだよ！」

私達2班はいつもより大忙しだった。
予想以上にこだわりすぎて時間が掛かってしまった様だ。
でも何とか明日の文化祭までには間に合いそう。

「A、味見してみてくれ。
少しクリームが多かっただろうか」

教室の壁に飾り付けをしていると後ろから敬人に声を掛けられた。
敬人の手には練習用に作ったであろう抹茶ソースが掛けられたパフェ。ちょこんと敬人のミニキャラクッキーが乗せられている。

『例の「敬人の度し難い抹茶パフェ」、良い感じじゃん！
…ん。もう少しアイスの配分を多くしてクリームを少なくした方がくどく無くていいかも』
「分かった、もう少し改良してみよう。」

メニューにもこだわって、それぞれのメンバーモチーフのスイーツも用意したのだ。
勿論メニュー名もユニーク調にして面白みを出している。

どんだけ対応が良くても料理の味が悪かったら同じだ。
一切手は抜かない。やるからには本気でする。

「ねぇ副会長！その失敗作食べていい？」
「失敗作と言うな！度し難い…。好きに食べてくれて構わん。寧ろ食べてくれた方が有難い。」
「やったぁっ♪弓弦の前じゃこんなハイカロリーな物食べさせてくれないからラッキー♪」

お菓子作りが初めてだと言う敬人も頑張って改良を重ねていってくれている。
…まぁ、結構失敗してるけど。

失敗作は班で食べてくれて良いらしいから私ももーらお。

『敬人、私も貰うね』
「あぁ、幾らでも…なっ、俺が割れてしまった…」

家庭科室から持ってきた調理台の上に置いてある焦げたパンケーキの皿に手を伸ばせば敬人の手で割れる敬人くんクッキー。

…敬人って和食専門らしいから本当にこの類は慣れていないのだろう。

『敬人、クッキーを乗せる時はこのトングで乗せた方が衛生的にも良いよ』
「成程…。ありがとうA。全く…俺もまだまだ勉強不足だな。」

「げっ、ちょっと眼鏡！このマフィン、中が半生なんだけど！？お腹壊したらどうしてくれるの！」
「わ、悪い！少し焼き時間が短かった様だな…」
「敬人くん、このプリンガッチガチですよ！？」
「あぁ、アイスと間違えて凍らせてしまった様だ…」

…これ、敬人が不安すぎるな。