貴公子 ページ16
貴女side
「ところで、明日からプロデュースらしいけど、決まってんの?行くユニットは?」
「いえ…」
朔間くんは、ふうん、と頰杖をついていた腕をゆっくりと外して身を乗り出してきた。
「じゃあ、先約。Knight来てよ、紹介したい子がいるんだよねぇ」
「紹介したい子……ですか?」
「うん、後々嫌でも会うようになるよ。後の二人は……明日紹介する」
どうやら紹介したい子というのは、複数いるようだ。とりあえず、きちんとした用事があるなら断れず、Knightsに決めた。あんずちゃんに予定を確認しに行かないといけないが。
「今日は、俺たちレッスンがあるんだけど。まーくん、今日トリスタはある?」
「あー、ごめん。ある。…帰りどうしようか」
「こうなったらバカ兄者かな……。頼みたくないけど、Aのためだし」
コーギー、今日レッスンあるー?と大神くんに朔間くんが聞くと、ねぇよとの返事。頼みに行くね、と顔を歪める朔間くんに一人で帰れると言ったものの、帰り道を指摘されてなにも言えなくなった。
さすがに初日で覚えられる頭は持っていない。
結局、朔間様は快く了承してくれたようで、少し部活の用事を済ませて校門前で待ち合わせをしてくれることになった。
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「じゃあ、気をつけてね。困ったことがあったら電話かけてよ」
「わかりましたから。大丈夫ですって」
しっかりと念押しされて、そんな朔間くんの横で苦笑いしている真緒さんも優しく私に気をつけてと言ってくれた。
私は二人にとって5歳ぐらいの子供なのだろうか。
約束通り校門前で身を木に預けてぼうっと朔間様を待つ。その時、たたたっと軽い足音が聞こえて、色の違う双眸の瞳が私を映した。
「影片さん」
「Aちゃん…」
まだ待っとったの、と目を丸くして彼は私に駆け寄って来た。隣に立った彼は、少しだけ緊張と警戒をにじませて人の良い笑みを浮かべる。
「おれもAちゃん送って行けたなぁ…話聞いとったんだけど、言い出せなくてごめんな」
「えっ、いえいえ。そんな気を使わなくても」
優しい人だな、と思って小さく笑みを浮かべた時だった。
「あんず姉ちゃんーーーー!!」
と、元気な声とともにがんっと衝撃が腰元に当たって、思わず目を瞑る。
完全にバランスを崩した、と思ったその時には力強い手が私をぐっと引き寄せてくれた。
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蝶遊(プロフ) - 私も推しが似てて嬉しいです〜! か、活躍…できる限り頑張りますっ!!笑 (2018年9月2日 7時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - 蝶遊さん» 来てしまいました~笑 推しが似てて嬉しいです..凛月くん人気!!!!!!!!! 今後の作者様の活躍を期待していますっ (2018年9月1日 19時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
蝶遊(プロフ) - ▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中さん» わわ、こっちにも来てくださったんですね! なんか推しが似てますね…笑 コメントありがとうございます!! (2018年9月1日 19時) (レス) id: 231773e0eb (このIDを非表示/違反報告)
▼ 宮本 . △@ペアネβペア画中(プロフ) - うはぁぁぁ!!!!!!!!!歌い手小説からやって来ました(*''*) 推し…同じです!凛月くん~~好きや~~!!笑 (2018年9月1日 18時) (レス) id: 7a40cd812c (このIDを非表示/違反報告)
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