好きな人は彼女持ち。１【ダイヤのA】

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東条


Aさんの様子がおかしい

前はあんなに御幸先輩の周りをウロウロしていたのに今日は避けているように見える。


「ねえ、御幸先輩と何かあった？」


練習の休憩時間に声を掛けてみれば、驚いた顔をして目に涙を溜めていく。


「え！ご、ごめん」

「ううん、ごめんね。ちょっと色々あって…」

「練習終わったら話聞かせて」


そう言うと、ありがとう。と小さく笑って仕事に戻っていった。


泣くほどの事があったのか…

何があったのか気になって練習に集中できず、何度も怒られてしまった。


「おいテメェェ倉持ー！！！しっかりやれ！！！」

「ちゃんと集中してやってくれない？」ﾍﾞｼｯ


何故か倉持先輩も同じで、凡ミスを繰り返しては監督や先輩達の怒号が響いていた。



練習が終わり、Aさんの元へ向かうもまだ仕事が残っているのか忙しそうだ。

先に着替えてこようと部屋へ一旦、向かう。



戻ってくると信じられない光景が待っていたーー


倉持先輩にAさんが抱きしめられていたのだ。

何もできずにその場に立ち尽くすことしかできない。


少し前に倉持先輩と付き合っている噂が流れて、本人は否定していたけど本当だったのか…？


俺の存在に気がついた倉持先輩が何かを彼女に伝えて離れていく。

急いで駆け寄れば、悲しそうに泣いているAさんと目が合った。


倉持先輩との今の状況を説明してほしかったけど、ただの友達の俺が聞き出すのはおかしい


「大丈夫…？」


この関係にもどかしさを感じながらも御幸先輩との間に起こったことを聞かせてもらった。


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