142話 重い甘さ ページ43
「ね、東雲ちゃん。オレと話そうよ」
「もう話してるけど…どうしたの？」
「ここから出ることについてなんだけど」
あ、やばい。
わたしは咄嗟の判断で、王馬くんに馬乗りになって口を塞いだ。
「んむっ?!」
わたしはそのまま掛け布団を手に取り、ばさりとわたしたち2人にかけた。
ゆっくりと、唇を離す。
沈黙の中、王馬くんと見つめ合う。
わたしは赤くなりながら、ゆっくりと言った。
「監視カメラが、あるから…」
「…オレとキスしたかっただけじゃない？」
「そんなことは、」
わたしは顔をそむけた。
「…あるけど」
「ん、いい子だね」
王馬くんはわたしの頭をよしよししてくれた。
「んん…」
わたしは安心して、目を閉じた。
下にいる王馬くんが、ぎゅっと抱き締めてくれる。
「オレの話、聞いてくれる？」
「ん」
「…東雲ちゃんさ、何かを忘れてない？」
「昨日のこと？」
「ううん。昨日もだけど…それだけじゃなくてさ」
「なんだろ…？」
「東雲ちゃんは、ほんとうは、首謀者の正体を知ってるんじゃないの？」
「まさか。知ってたら隠さないもん」
「忘れてたりしない…？」
わたしは、さっきの蘭太郎お兄ちゃんとの会話を思い出した。
「それは、あるかも…」
「かも？」
わたしは、さっきの話をするかどうか、迷った。
王馬くんのことは信じたいけど。
でも、まだ言っちゃダメだ。
「うぅん、なんとなく…」
わたしは誤魔化した。
「…そっか」
王馬くんに気付かれてるだろうけど、仕方ない。
「じゃあ、オレはオレでここを出る方法を見つけるから」
そう言われてはっとする。
あ、これじゃわたしは感じ悪いかな？
やだ、王馬くんのこと好きなのに。
これじゃわたしが王馬くんに秘密にして、教えないって風に思われちゃうじゃん。
いや、実際、そうなんだろうけど。
わたしは王馬くんにいっぱい、抱きついた。
「違う、違うよ、違うんだけど……。
すき、王馬くん、すきすき、すきだから」
すき、の度にぎゅーっとした。
わたしは王馬くんを失うことが怖かったんだ。
王馬くんは、苦しい、と言った。
「東雲ちゃん、キミはいつから、そんなに重くなったのさ？」
「重い…？ ごめん」
わたしはしゅんとして、王馬くんから降りようとした。
「違うって」
王馬くんはそんなわたしを制して、言った。
「オレ、重い愛なら歓迎だから、
…そのままでいてよ」
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めっし(プロフ) - 下に同じくです (2022年7月26日 17時) (
レス) @page6 id: 7d569bbc99 (このIDを非表示/違反報告)
夢海 - 2022になっても見てますw (2022年7月4日 21時) (レス) @page50 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
みゅー＠作者 - おことさん» ありがとうございます！ かなり遅くなりました。王馬派さんもいてよかったです！ これからもよろしくお願いします。 (2018年12月29日 1時) (レス) id: 41d434a4ee (このIDを非表示/違反報告)
おこと(プロフ) - まだ見てます！応援してます！ちなみに私は王馬派ですw (2018年12月1日 17時) (レス) id: 3db9c5d0dd (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編製作決定！ そろそろ完結させなくちゃ……。まだ見てくれてる人いるのかな笑 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 316ac960fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅー | 作成日時：2017年12月4日 14時
