139話 そう言えば ページ40
「話しておきたいことは、まだあるっす」
天海くんはわたしの目を見て言った。
「Aは不思議じゃないんすか？
どうして自分だけが宝箱に入っていたのか」
「……あ」
確かに。どうして疑問に思わなかったんだろう。
いや、思ってたけど、深く考えていなかった。
ううん、それについて考えないようにしてた。
だって…実はわたし。
「何故か、記憶が曖昧で」
わたしは頭を抑えた。
「宝箱に入ってて、眠ってたんだよね…。
眠る前のことを、今ではもう思い出せないや」
記憶を消された、境目がそこにある。
それ以前には、記憶を失っていないわたしが、なにかをしていたはず。
わたしはここに来る前、何をしていたんだっけ？
「Aだけがみんなより後から来たのは、何か、必ずわけがあると思うっす。
これだけの大人数を拉致するのに、モノクマがただ忘れていたわけはないんすよ」
そうだよね。モノクマがこんなに大きなミスをするとは思えない。
だからわたしが過去を思い出さなくちゃ。
それなのに。
「思い出せない…一番最近の指令はなんだった？」
わたしが何のミッションも受けてないはずがない。
「きっと、Aの記憶が鍵なんすよ……」
思い出せ…思い出せ…。わたしは何をしていた？
「ぅ……ん…？」
どうして…？ わからない。
「だ、大丈夫っすか？ 無理はだめっすよ」
無理しなきゃ。みんなの命もかかってるのに。
それでも、
「…だめ、思い出せない」
わたしには出来なかった。
「仕方ないっす。やっぱり消されてるんすね」
記憶が？
「この消され方は、ただの薬なんかじゃないよ。
並大抵の薬じゃ、わたしには効かないのに…。
新薬かな。新しいやつが出たんだ…」
そうに違いない。
だってわたしに効く薬は…
……いや、あった。１つだけあった。
「そうだよ！ わたしの記憶さえも消せる薬はある。
わたし、知ってるよ。だってそれは」
あ…。わたしは答えに詰まってしまった。
「A？」
だってそれは、の先を言うことが出来ない。
心臓がうるさい。
呼吸が浅くなる。
落ち着いて、と冷静なわたしが言うけど。
そんなこと、出来るはずないよ。
わたしが知っている、唯一の、わたしの記憶を消せる薬。
だってそれは………
「だってそれは…。わたしの常備薬だもん」
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めっし(プロフ) - 下に同じくです (2022年7月26日 17時) (
レス) @page6 id: 7d569bbc99 (このIDを非表示/違反報告)
夢海 - 2022になっても見てますw (2022年7月4日 21時) (レス) @page50 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
みゅー＠作者 - おことさん» ありがとうございます！ かなり遅くなりました。王馬派さんもいてよかったです！ これからもよろしくお願いします。 (2018年12月29日 1時) (レス) id: 41d434a4ee (このIDを非表示/違反報告)
おこと(プロフ) - まだ見てます！応援してます！ちなみに私は王馬派ですw (2018年12月1日 17時) (レス) id: 3db9c5d0dd (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編製作決定！ そろそろ完結させなくちゃ……。まだ見てくれてる人いるのかな笑 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 316ac960fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅー | 作成日時：2017年12月4日 14時
