123話 観察視察 ページ24
最原くんは全く運動が出来ないわけじゃない。
わたしは隣で懸垂をしている彼の観察をしていた。
「…っ、ふう」
目標の回数に到達したのか、一旦棒から降りる最原くん。
「準備運動は、こんなもんで良いよね」
わたしは呟いて、本格的な訓練を開始しようと構えた。
「取り敢えず、シューティングゲームでもしようかな」
また用意されたプログラムを打ち込むと、的が現れた。
「これは一体…？ Aがやったんだよね？」
「うん、そうだよ。これは、射撃に関する訓練かな」
そう言うと、最原くんは顔をしかめた。
「射撃…？ キミ、もしかして今までに人を…」
ああ、そういうことか。そりゃ、心配するよね。
「…この手で人を殺めたことはないよ」
「そう、だよね。変なこと聞いてごめん」
「ううん、大丈夫。その気持ち、分かるもん。
わたしの言う射撃は、麻酔針のことだよ」
自分で言いながら、笑ってしまいそうになる。
…わたしは嘘をついたことになるのかな？
麻酔針ってのも、あながち間違ってはいない。
でも、弾丸を使っての訓練もしたことはある。
ただ、それだけ。訓練だから、良いでしょ？
わたしは自分を正当化して、笑顔を作る。
あ、ううん。作り笑顔なんかじゃない。
彼といると、本当に笑顔になれるから。
「ゲーム感覚で、訓練出来るんだよ」
わたしは見せかけの銃を手に取った。
「見ててね」
向こうの的に向かって、狙いを定め、指をかける。
タン、と軽快な音がして、的の中心から少し外れた、
でもそう遠くない場所にインクがつく。
インクの色はピンク。過激なピンクだ。
「ふう。終一もやってみて」
彼は銃を持つと、見よう見真似で打とうとした。
「あ、違うよ」
わたしは彼の隣に膝をつき、手を添えた。
「ここは、こう」
「あ、ありがとう…」
彼の指に自分の指を絡ませ、ゲームの弾を発射させる。
「じょうず！」
わたしが横を振り向くと、思ったより近い位置に、彼はいた。あの綺麗な目…。
屋内なのに、何故か心地良い風が吹いた気がする。
わたしは初々しく、手と手の繋がりを絶った。
「そ、そんな感じで…やってみて」
先輩ヅラすれば良いの？ 甘えれば良いの？
それとも、彼女ヅラ？
わたしが考えていると、最原くんは急に顔を近づけ、口付けをした。
「…っ！」
また、時が止まる…
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めっし(プロフ) - 下に同じくです (2022年7月26日 17時) (
レス) @page6 id: 7d569bbc99 (このIDを非表示/違反報告)
夢海 - 2022になっても見てますw (2022年7月4日 21時) (レス) @page50 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
みゅー＠作者 - おことさん» ありがとうございます！ かなり遅くなりました。王馬派さんもいてよかったです！ これからもよろしくお願いします。 (2018年12月29日 1時) (レス) id: 41d434a4ee (このIDを非表示/違反報告)
おこと(プロフ) - まだ見てます！応援してます！ちなみに私は王馬派ですw (2018年12月1日 17時) (レス) id: 3db9c5d0dd (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編製作決定！ そろそろ完結させなくちゃ……。まだ見てくれてる人いるのかな笑 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 316ac960fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅー | 作成日時：2017年12月4日 14時
