119話 簡単なトリック ページ20
「まぁ、筋は通ってるんじゃないかな」
最原くんが頷く。
「最原くんっ、これ、信じるの？」
最原くんはかぶりを振り、王馬くんを見据えた。
「じゃあ、その装置を見せてくれる？ それで、入間さんの証言も聞きたいな。
もし本当なら、そのどちらもあるはずだよね、王馬くん」
王馬くんは臆する様子もなく、うん、と言った。
「入間ちゃーん、ちょっと来てー」
呼びかけられた美兎ちゃんは、わたしたちを見ると、首を傾げた。
「なんだ？ オレ様になんか用かよ？」
「ねぇ入間ちゃん。前さ、オレに発明品見せてくれたじゃん」
「ん？ おぉ、見せたな。それがどうしたよ？」
「あの、夢の装置ね。あれ東雲ちゃんと最原ちゃんにも見せてやってくんない？」
「いーや。それはできねぇ。もうあれはオレ様が壊しちまったからな！」
「えぇぇええー。壊しちゃったのかーー。仕方ないなあぁー、ごめんね、東雲ちゃん」
「そ、そんなにオレ様の発明品が良かったのかよ…」
「あ、うん。そうだね。あ、帰っていいよ」
「ひぐぅっ!? もう用済み…？」
美兎ちゃんは王馬くんの冷たい態度に傷つきながら元の席に戻っていった。
「…ね、２人とも。聞いてたでしょ、今の会話。信じるよね？」
「え…、うん、まぁ…」
確かに美兎ちゃんは夢の装置を作っていた。壊しちゃってたとしても、それは事実…。
「疑ってごめんね、王馬くん」
「そうだよー。一度も噓をついたことのないオレを疑うなんてね。
こっちがキミの頭を疑いたくなるよ」
「王馬くん、そういうところだよ…」
「まーね」
王馬くんは気分が良さそうに別の場所へ行ってしまった。
あ、どうせなら夢で何をしたか、とか、昨日は何をしゃべったか、とか聞けばよかった。
まぁ、また今度でいっか。
すると、最原くんが少しだけ、首を捻った。
「どうしたの？」
「あ、いや、大したことではないんだけど…」
「なになに？」
「うーん、今の王馬くんと入間さんのやりとり…どうだろうと思ってさ」
「え？」
「なんとなく、会話に違和感を感じて。でも、あれが噓とは思えないし…。
だって、他に記憶が無くなるような原因が思い浮かばないからね。
ただの僕の気にしすぎ、だと思う。東雲さんは、気にしないで」
「そっか、分かった。最原くんみたいに頭が良い人は大変だね」
「ちょっと、東雲さんだって頭良いじゃないか…」
わたしはにこっと笑った。
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めっし(プロフ) - 下に同じくです (2022年7月26日 17時) (
レス) @page6 id: 7d569bbc99 (このIDを非表示/違反報告)
夢海 - 2022になっても見てますw (2022年7月4日 21時) (レス) @page50 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
みゅー＠作者 - おことさん» ありがとうございます！ かなり遅くなりました。王馬派さんもいてよかったです！ これからもよろしくお願いします。 (2018年12月29日 1時) (レス) id: 41d434a4ee (このIDを非表示/違反報告)
おこと(プロフ) - まだ見てます！応援してます！ちなみに私は王馬派ですw (2018年12月1日 17時) (レス) id: 3db9c5d0dd (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編製作決定！ そろそろ完結させなくちゃ……。まだ見てくれてる人いるのかな笑 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 316ac960fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅー | 作成日時：2017年12月4日 14時
