【黒バス】声を失った歌姫

7曲目 桃井 side ページ9

「…あ…さつきちゃん…( ; ; )」



弱々しい声と、目の淵いっぱいまで涙を溜めた顔でこちらを振り返ってきた自称RANA。



…くそぅ…偽物のくせに…偽物だって分かってるのに…







可愛いことには違いない←




が！それはまた別の話！

騙されないでさつき！


目の前の女はどんなに天使に見えたって、嘘つきに変わりはないんだから！






何とか落ち着いた所で、改めて小林さんの現状を確認する。


散乱したペットボトル。

ビシャビシャになった床。



ここから言えることは…




「スポーツドリンク、こぼしちゃったんだね」





「ご、ごめんね…水を入れすぎちゃって…そしたらそのまま倒れちゃって…(/ _ ; )」




耐えきれなかったのか、溢れ出した涙を手で拭う小林さん。




…べ、別に萌えてなんかいないよっ！←







「大丈夫だよー！ただ、休憩時間までにはスポドリは絶対作っとかなきゃいけないから、楽奈ちゃんはスポドリ作っといて！」


「う、うん…！」



未だ泣いたせいで目は赤いままだけど、なんとか別の場所に移動してスポドリ作りを再開した小林さん。




「さて…掃除は…」




小林さんを見送ってから件の事故現場(仮)を見ると、そこにはすでにAちゃんが雑巾片手に立っていて、スマホをすっと差し出してきた。




『私もやる』



スマホの画面に打たれていた、このたった四文字は…









「Aちゃん…









結婚しよう」←









私に結婚を決意させた←









でも、Aちゃんはそのまま何も反応せずに、濡れた床を拭き始めた。







まさかのするぅ？
さつきちゃん泣いちゃうっ(つД`)ノ←








…けど、私にあまり近づかないように掃除していることから、がっつり引いているようだ←









…









そんなAちゃんもかぁいいけどね❤︎←

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