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暗闇,039 ページ40






「……」



「そんな顔するぐらいなら、やめとけばよかったじゃね〜か」




彼女は屋上の茂みの中で、小さく体操座りをしながら顔もあげない。死んだみたいに、無反応だ。笑顔を絶やさない彼女が、笑顔を絶やしてしまう。これは、そんな時間だ。




「大丈夫だよ、唸ってはいたけど痣はね〜からさ」



「……」



やっぱり顔を上げない。それを分かっていたかのように零は笑うけど、その顔は「参ったなぁ」みたいな顔で、決して哀れむ顔じゃなかった。




「……傷のふかさのもんだいではありません。」



「めんぼくないです、わたしとしたことが……かれの煽りにまけてしまいました」



あえて即決に言うところがお前らしい、と零は笑う。変わらないことこそが難儀であって、尊いのだから。だからこそ俺は、お前をみていると安心する。零は、そう思ってくれることだろう。



「分かっていて何がそんなに恨めしい?そこまでの理由があるとは、とても思えないんだけどな」




「それは秘密です。ただかれが、『けいはく』きわまりないことをいったから。だからわたしは怒ったのです。じぶんの『げんどう』に責任をもちなさいと」




「……ふっはは、そうか。そうだったか。ありがとな、A。愛してるぞ〜っ☆」



目を真っ赤に腫らして、むすっと顔をあげた彼女の隙を突いて頰を擦り合わせる。言えないのがもどかしい。あなたの為に私は怒ったのです、と。そうやって真っ直ぐに言いたいのに。
ーーー大丈夫だよ、わかってるから。






「むぎゅ……。いきなり『ほっぺ』をくっつけないでください、なにを勝手に『かいしゃく』することがありますか。」



「わたしはべつに、会長さまのことで意地きたなく怒ったわけではありませんからね」




「あぁ。わかってるよ、Aは俺のために怒ってくれたんだよな?わかってるよ。それは何も意地汚くなんかね〜んだよ……♪」



「ち〜が〜い〜ま〜す〜……」

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日向サク(プロフ) - ありがとう〜 (2017年12月14日 18時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
しょーり - サイコー!! 大好き!! キュンキュン!! (2017年12月14日 18時) (レス) id: d8a6f4a6f4 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - とってもいいです!!最高です!!応援しています!更新頑張って下さい! (2017年10月17日 1時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日向サク | 作成日時:2017年9月16日 10時

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