Tennis match No.9 ページ10
つかつかと彼らを避けて進もうとした所で呼び止められて、思わず顔をしかめてしまいそうだった。…それでも礼儀になっていない事はしたくなくて、一度は背を向けた彼らに向き直って告げる。
「…向坂Aです。女だからと見くびられるのは癪なので実力を見て頂けたら幸いです」
「へえ。…君、随分とドライなんだね」
「女を何だとお思いで？」
そろそろカチンと来る。わざとらしく苛立ちを煽っているのが分かる顔をしている金髪の彼。顔が笑っていたとしても、目は笑っていないのだから、この顔は貼り付けた笑みになるか演技だ。…後で調べ直すのもアリかな。
「…ふむ。入江にそう言い返せる奴も中々居ないだろう」
「…徳川カズヤだ」
「鬼十次郎。…明日にでもお前の実力を見せて貰おう」
「僕は入江奏多」
全員が取っ付きにくい雰囲気を感じる。自然と分かる事は、徳川と名乗る黒髪の彼が周りの二人より生きた時間が短い事くらい。視界を一度伏せて、そして開く。見据える三人に言い放つ言葉は素の状態。
「黒髪の君。君が君の名前を名乗るのは良いんだけど…年齢差くらいは気が付けないとね。明日の空き時間にでも宜しく願いたいと思いますので、夕方頃にでもこちらへいらして下さいな」
彼の目は僅か色が変わった。今更か、別に構わないけど。敬語が抜けないのは初対面だからと信じたいけど、初対面じゃなくとも抜けない場合はあると思う。場違いな事を考えてながら、背を向け直して部屋へと戻り歩く。テニスをしたいと思ったからこそ丁度良いタイミングであんな約束をこじ付けていたけど、本当に今日はラッキーだなあ。
「彼女、どう思う？」
「強者、としか言い様が無いだろうな。独特な雰囲気には人を寄せ付けない何かがある」
「…女に引けを取る訳にはいかない」
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
