Tennis match No.49 ページ50
コートAに着くとそこには記憶に新しい昨日、ナタリアを囲んでいた人間が揃いに揃っていた。そして声を掛けるよりも先に彼らは手に持っていたラケットとボールで私に無言による威圧を掛けてくる。まるで雷雨の様に、そして大蛇の様に私に降って追い掛けてくるボールを打ち返す事ができたなら良い、私は今この手にラケットを持っていない。背負ったバッグの中にまだ眠っているのだ。避けるにも限界があるし、取っている時間は本当に無い。いっそ覚悟を決めてボールを受け止めた方がこの場の雰囲気には合っているだろうか？
「…っつう、君ら、暇なんだ」
受けてしまおう、そう思ってボールを腹部や足、顔や腕で受け止めてから彼らに一言告げた。寧ろエスカレートするその黄色の雨は、容赦が無い。流石に無傷とはいかない。鈍い音が耳に直接届いた様な気もするし、骨が軋んだ様な音もした。…君らは、君が楽しんでいたテニスをこんな風に使っちゃうんだなあ…本当に失望しそうだ。呑気にそんな事を考えていたものだから近付いてきた足音には気付けず反応が遅れた。
「アンタ、ナタリアさんに何してくれたんだよ」
「…君らが見た通りの傷を、私が負わせたと思ってるの？相当なお門違いだけどそう思いたいなら勝手に思ってたら良いんじゃない？少なくとも私はやっていないから、無罪を主張し続けるけど」
言った途端に振り下ろされたのは誰かのラケットだろうか、さっきのボールを受けた事で地面に蹲った私の背にまた力を考えずフレームがぶつかった。重力に従った痛みは尋常じゃない。そして下からは誰かの足やら膝が入り込んでくるから、息が苦しかった。男も女も関係無く、暴力に走れる様になったのか、なんて事を霞みそうになる視界を持って暗い雲に覆われた空を見上げる事になった。
─────
続編へ移行します。飛べる様に設定しておきましたので、暫くお待ち下さい。文章がいくつか纏まったらパスワードを外したいと思っております。
藍梓
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
