Tennis match No.43 ページ44
日が暮れてもずっと三人でボールを打ち合っていた光景を両親や幼馴染二人のご両親にも見られていて。渋々ながらにもテニスをやる事を認めてくれた両親は交換条件として私にピアノを弾ける様にレッスンをし始めた。ついでに、いくつかの金管楽器も。お陰様で今の私はピアノ以外にもサックスが吹けたりするから趣味程度にはしているけど。
永四郎と裕と私の三人でスクールに通ってテニスをし続けていると、やっぱり子どもなりに嫉妬の念を向けられる事も多かった。小学校は上履きを隠されたり下履きを隠されたり。机の中に虫を入れられただとか、教科書を濡らされた事もあった。その度に先生はやった子どもに向かって叱り付けてはいたけど効果は無かった。辛うじて、永四郎と裕が学校内に居る時だけは何も騒ぎの平穏ばかりだった。…今思えばかなり不気味だ。そして私は中学へ入学。勿論、現在二人の幼馴染が在籍する比嘉中に。そこで私はテニス部に入部。陰湿な嫌がらせは後を絶たず、机がボロボロになったり椅子が無かったり、黒板消しが降ってくる事もあったし、水が降ってくる事もあった。そんな事がある度、学校が終わってからずっと二人とテニスを続けていた。凄く、楽しかった。だけど、入部した先のテニス部の人達も理由は分からないままに嫌がらせを仕掛けてきた。流石に、ラケットのガットを切られた時は頭に血が上った。子どもの時の金銭感覚だとテニスのラケットの整備だって高価なものだったから、尚更カチンと来たのだろう。それで、当時の部活の部長を相手に喧嘩じみた試合をして勝ったとかの記憶がある。だから何だと言われても、それだけになる。…中学三年の冬頃に、外国での事件だか事故だかに巻き込まれて両親は他界した。それを聞いて、淡々とした感想しか抱けなかったものの生活を送れない現状を打破する為、そしてテニスを磨く為に両親の知り合いの元、ロシアへと渡った。渡る前には二人に連絡先を教えておいた様な。本当にそうだったのかは知らないが金持ちだったらしく、私は幼くして携帯を渡されていた。今では機種を変更してはいるもののアドレスなどは全部あの頃のままで、彼らもずっとそのままで連絡を取り合っていた。…ナタリアとの記憶はほとんど無い。全て流してきてしまっているから。だから今更顔を合わせて話そうにも話せない、意味が分からない人間は嫌いなんだ。
彼女の良い噂を聞いた事が無い程、性格は昔から歪だったとか。私より年下の彼女は、私には関係無い。
Tennis match No.44→←Tennis match No.42
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
