Tennis match No.34 ページ35
髪を乾かして貰っている途中で彼のスマートフォンを預かり、何かと思えば私とメッセージのやり取りができる様に設定して欲しいと頼まれた。その為、髪が乾く頃には何の問題も無くやり取りができる様になっていた。湿気を含んでいない髪は軽く、柔らかかった。
「…何かした？」
「何もしとらんよ。普通に乾かしただけやで」
「そう…あ、これ返すね、ちゃんとできるから安心して」
使い終わったドライヤーを受け取りながら彼のスマートフォンを返し、私は使ったタオルを小さな洗濯機に放り込んだ後ドライヤーを片付けに行く。私からは完全に死角になっていたからどんな顔をしていたのかは知らない。でもこれを使わない手は無く、洗面所にドライヤーを置いてから彼に向けてメッセージを送る。
『嬉しそうな顔しちゃって』
そのメッセージを見た瞬間に私の方へ勢い良く向くものだから、思わず笑ってしまった。そんな必死な顔されたらカマをかけたなんて言い出しにくい。…やっぱり純情なのかな。見た目にそぐわないからあまりにも想像が付かなくて困るのは私の方なんだけど。十分、学校の女子達にモテてしまう様な見目はしてるのに勿体無い…または鈍感か？それは無いと思うから却下、単に感情が極端なのか。…そうなのかも。
「カマかけただけなのにそんな反応しないでよ、図星なんですって一発で分かる」
「…向坂さん容赦無いわ」
「一筋縄にはいかないよ、私はね」
「…気付いて、っ！？」
「まーた引っ掛かってるんだから。ね、
「…何でそんなに知っとるんや」
途端しおらしくなった白石くんが呟くのはその一言。何でなんて、そんなの、当たり前だとしか言えない。だって、ロシアに居る頃は…とか、通じないか。
「今年の全国大会、見てたから。青学の天才の不二周助くんに勝ってたのも知ってるよ」
ロシアの国柄が情報収集やらが得意なせいで私まで無理矢理特技にさせられたのはあるけど。…まあそれは言わないでおいた方が問題も無さそうだし言うつもりは無い。翻弄され続ける彼には悪いと思うけど、ここぞとばかりに告げてみる。
「基本に基本を極めたがる辺り、私と似てるのかな」
そう、私のテニススタイルは白石くんよりも基本を極めたがったスタイル。お互いに技やらを出さなければ普通に私が勝ってしまうのだろうけど、彼には伸び代があるから五分五分程度になるのかな。…成長が楽しみなのはこの子もだった。
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
