Tennis match No.2 ページ3
赴いた先は、手紙で書かれた場所。特に何かが目印という訳が無い至って普通な所だから、見落とされては困るとは思う。手紙というよりこれは書面だろうと考える分、まだまだ私にもそれなりな余裕はあるみたい。合宿所の施設に入ったは良いけれど、見ただけで分かるくらいには広そう。一度は迷いそうだな、とぼんやり思っていたら、足元には一つの長い影ができた。下へと向いていた視線を持ち上げるると、予想よりも背の高い男性が一人。
「…黒部、由起夫コーチで、宜しいですか」
「ええ。あなたが向坂Aですね？」
「はい」
…それにしても、このコーチの威圧感というか、圧迫感が強くて息苦しい。身長差があるからとはいえ、何とも複雑な気分にしかならない。
「まずは他のコーチへの挨拶回りをして来て下さい。その後にまた指示を出します」
「荷物はどちらに？」
「この通路の奥は行き止まりの様に見えますが、扉が一つだけ存在しています。その扉の奥があなたに割り当てられた部屋になります。その部屋に荷物を置いて下さい」
「分かりました」
彼が去って行くのを見送り、踵を返す。先程示された通路を歩き、行き止まりになった壁に触れると何だか取っ手の様な物に触れた。これをどうにかして開く事から始めるとなると、ここで生活する事自体が難しいのかもしれない…。
「…スライド式なのか、引くタイプなのか押すタイプなのか…」
取り敢えず押してみる。開かない。押してダメなら引いてみろ、そんな精神で今度は引いてみる。開かない。そこでふと、壁と扉の繋ぎ目を確認する事にしてみた。上も下も、奥やら手前やらには動かない様になっていて、横に伸びていく溝が見えた。まさかのスライド式。こんな姿を誰かに見られていたとしたら、恥ずかしい。馬鹿丸出しなのは流石に困るなあ、とか個人的には思うから、取り敢えずさっさと入ってしまおう。
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
