Tennis match No.19 ページ20
そして、私がコーチ達から番号を授かったあの日から半年と一ヶ月程が経った。何も無かったとは言わない。やはり、私より先にこの合宿所に所属していた高校生には嫌悪の目を向けられるから居心地が悪い。…あの後、私は遠征には行かなかったから二軍を守る為に白の日本代表ジャージを支給された。…私のサイズがある事自体が怖い。いつの間に測られたんだ、私のサイズ。ちょっと戦慄。自前のジャージからこっちのジャージに切り替えると、凄く身も気も引き締まる感じがしたのは、心境が変わったのだろうか。…とは言っても、私だって二軍を守る名目が無い時はずっと山に篭って三船コーチの指導を受けて来ていたから、他の二軍のメンバーと打ち合いをした時には驚かれた。随分と変わった、なんて言われたけどまだまだ発展途上なんだよーってね。今だって発展途上なのは変わらないけど、それでもまた以前とは変わった。お陰で黒の日本代表ジャージも持っているし、念の為とか何とか言われて赤の…一軍のジャージも持ってしまった。これだけの種類が私の手元にあっても滅多に着ないって話なのにな。
「……ああ、今日も変わらずな天気、晴天なのは良い事。でも今日ばかりは何かがある予感がする」
何気無い日常と化した生活も、本日のメインイベントによって途端に潰れてしまった。
これもまた脳内で彷彿とする出来事。
私はコーチ達に理由を述べて来た。中学男子テニス部の全国大会を観に行くという理由を。そして合宿所の方の練習は一時的にストップして貰った。彼ら中学生達の試合の広がり方はとても面白く、そしてレベルが高い。今年に限った話では無かったにしても特にレベルが高い人物が居ると聞いて、私はその人物が所属する中学校の試合を観に行った。
“ …青春学園、中等部…男子テニス部…か ”
何だろう、凄く恥ずかしい名前の学校。良い意味なのかも知れないけど、ちょっとね。とにかく、彼らの試合は凄まじい程に記憶に残ったんだ。今年のエースはまさかの一年生だったって。それだけだってインパクトはかなり強い。…そして。私はロシアで修行しながら時々アメリカにも行っていて、とある路地裏のストリートで見掛けた例の二人の片方…小さい方にそっくりというか、最早本人だった様で。思わず声を漏らしてしまった。こんな強運は滅多に無かったから思わず喜んだ様な。大事な逸材を放っておくつもりなんて毛頭無い。
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唯(プロフ) - 初コメント失礼します....! 入江奏多先輩好きなので、思わず舞い上がりました！ 素敵な作品をありがとうございます(*^^*) 長文失礼しましたorz (2018年1月19日 19時) (
レス) id: f51638b8bc (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月7日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍梓 | 作成日時：2017年12月7日 22時
