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「はい谷崎君。此、今日絶対食べてね。」



















「飴……ですか?」









「そう。今日、明日、明後日とそれ食べてもらうから。」谷崎の机に飴を一粒置き、向き直る。「あ、ナオミちゃんには絶対あげないでね。」
谷崎の不安そうな顔に比べ、狂倭は生き生きしていた。それもそうだろう。そうじゃないと色々と遣っていけない。
「如何して…?」ジーッと、怪しいものを見る目で飴を疑視して。
「いいから返事!じゃないと与謝野先生のところに連れてくからね。」
「…はい」

そうそう、と満面の笑みをみせる。
狂倭の持っている飴は、簡単に云えば日記への執着を絶つ、そういう気を起こさなくする効果があるらしく、また、日記に依存している人が食べると凄く美味しく感じるらしい。


「まぁ安心して。毒何て入ってないから。」
不安そうな顔を背後に、狂倭は自身の机に戻っていく。









「あ、美味しい。」





























***

「A何処いくの?」

「あ、乱歩さん。谷崎君に飴を渡したので仕事に向かおうかと。」
外に出る支度をして、珈琲を一気に飲む。
嗚呼あれか、と乱歩は納得して、それと同時に表情が変わる。狂倭もそれに気づいたのか「如何したんです?」と顔を覗いて。
「A。今更止めても無理そうだから一つ忠告。
背後の敵に注意しろ。」

「、それくらい判っています。それと、誰かが死ぬかもしれません。その時は私が、責任を取ります。
社長に伝えておいてください。」
優しく微笑む。
その顔に焦りはなかった。

「判った。…僕が居るのに誰も死なないと思うけどね。」狂倭の肩に手をおいて。「堪えてね。」



「はい。行ってきますね。」





























「死ぬなよ。」
ボソ、扉を見て云った。



.

漆→←伍


ラッキーカラー

あずきいろ


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作者名:Utsuro x他1人 | 作成日時:2017年8月29日 17時

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