漆 ページ8
・
捜査の手伝いで此処儘拒否反応が出たのは久しぶりだった。気分が悪い。遣る気が出ない。
国木田と太宰さん曰く、本当は乱歩さんが行く筈だったのだが、依頼主が私を指名したらしい。気の進まない仕事だ。
指を絡ませ腕を空に掲げるように腕を上げ伸びをする。躰が重かった。
「あ、腰いたい。」
そんな呑気なことを云ってみて。
***
「以上で、今回の事件の内容説明を終わりますね。質問とか……あります?」
「いえ大丈夫です。わざわざありがとうございますね、」
にっこりと笑ってみせた。…うまく笑えてるよね?
如何やら殺人事件のようだ。倉庫の中で、段ボールの上に横たわり、背中から槍のようなもので刺された状態だった。(写真確認済)
事件発覚から五日、犯人おろか、はっきりとした証拠すら見つかっていない。
完全犯罪に等しいモノだ。
事件解決、それが私の仕事らしい。
「犯行時間は五日前の午後9時頃。男の殺害。槍のようなモノ。槍の重さは見た感じ6〜8kg。いがみ合いになった痕跡すらない。勿論指紋も足跡もなかった。」
__協力者が必ずいる。
全て判った気がした。
「それでは、私の推理、と云うかまぁ、今現在思ったことをいっていきますね。」
.
ラッキーカラー
あずきいろ
18人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Utsuro x他1人 | 作成日時:2017年8月29日 17時