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私は別に祥吾をガチガチに束縛したいわけじゃない
むしろ自由にしていて欲しい
だから、『出来るだけ』
灰「………お前は良いの？」
貴「良いから言ってる」
灰「…そっか……」
祥吾は納得したようで、ゆっくりと私の手を離した
自由になった手を見てみると、手首に手形がついている
……力、強すぎだし…絶対痣になる
灰「…うわ」
貴「お前のせいだぞ」
灰「ん……ごめん…」
貴「…素直に謝るの珍しいな。つーかいい加減泣き止んで、よっ？」
私の上に跨っている祥吾の頬を撫でようとしたらビンッと髪の毛が張った
何かわからなくて少し強引に身体を起こすと、ブチブチと切れる音がする
祥吾に慌てて止められた
灰「お、おいバカっ」
貴「い、たっ」
灰「身体戻せ。あーあ…髪の毛千切れてる…」
貴「…………お前の包丁のせいじゃねぇか、バカ」
灰「……悪かったよ」
いつもより大分素直な祥吾に思わず笑みが溢れる
…可愛い
やっと自由になった身体を起こして、祥吾の頬を撫でた
その頬は濡れている
灰「………俺から離れないか？」
貴「うん」
灰「……嫌いになった？」
貴「ううん」
灰「…………怒ってたりとか、」
貴「しない。もういいよ、私も悪かったから」
灰「…お前、ずっと何処にいたんだよ」
貴「虹村さんの家」
灰「はっ？…バーカ」
貴「うるさい」
灰「バスケ部の奴らと毎晩遊んでるって噂は？」
貴「嘘に決まってんだろ。私がそう仕向けたの、誰とも関係は持ってないし協力してもらっただけ」
灰「…………そうか」
貴「…私もあんな事してごめん。仲直りしてくれる？」
灰「…する」
貴「ありがと」
良かった………
それにしても祥吾の泣いた顔なんていつ振りだ？
かなり前…小学生の頃に見たかも定かじゃないな
貴「…ね、もし私を殺したらどうする気だった？」
灰「一緒に死ぬ気だった。死んでからも一緒じゃねぇと嫌だし、お前がいない世界なんて生きる意味がない」
貴「……ふふ、重いな」
灰「嫌か？」
貴「嫌じゃない。でも、お前は私に依存しすぎ」
灰「…だって隣にいるのはお前じゃなきゃ嫌だし」
貴「…ふーん？そっか、そっか」
………あーあ、こんなに歪んだ愛をぶつけられて嬉しいだなんて私も相当歪んでる
仕方ない、だって恋人同士は似るっていうから
ーー
話数がいっぱいになったので続編に移行します
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作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年12月13日 6時
