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………
虹「じゃあ、今日は良いのか？」
貴「はい、長々とお世話になりました」
虹「また来るなら連絡してくれ。いつでも良いから」
貴「ありがとうございます」
虹「送ってかなくて大丈夫か？」
貴「…大丈夫です。まだ一人で帰れるくらいの余裕はありますから」
虹「そうか…。じゃあ気をつけてな」
貴「はい、また明日」
虹村さんにお礼を言ってその場から歩き出す
今日は具合が悪いからと家に帰ることにした
………あんまり帰りたくないけど仕方ない
正直、結構つらかったりする
なんとか家まで辿り着いて、ソファに飛び込む
……疲れたな…
…薬、飲まないといけないけど……なんか気力がわかない……
もうこのままここで寝ても良いな…
体力の限界を感じて、ソファに沈みながら目を瞑る
多分お母さんが帰ってきたらびっくりされるから、なんとかその前には起きて…自分の部屋に行って…
そんな事を考えながらもうとうとと微睡む
…ねむい………
意識を手放そうとした瞬間、遠くで扉の開く音がした
……え、だれ…？
もしかして泥棒とか？
…う…うわぁ、困る……
怖くても確認をしないといけないからと、ソファから降りてゆっくり玄関の方は近づいていった
人影が見えて、咄嗟に突き出した拳はぱしっと捉えられてしまった
灰「…急に殴りかかるのはどうかと思うぜ」
貴「え、あ、祥吾…⁈な、なんで…鍵…」
灰「開いてた。不用心だな…やっぱりお前は一人じゃダメだろ？」
貴「い゛っ、」
掴まれた手首を祥吾が強く握る
ぎりっ、と音がするくらい、強い
離せ、という意味で自由な方の手で祥吾の手を剥がそうとするけど力が強くて無理だった
しかも自由だった片手も祥吾に掴まれてしまった
そしてそのまま押され、後ずさるとキッチンの方へと押しやられた
貴「な、なに…」
灰「…やっぱりさぁ、お前は俺から離れたらダメなんだよ」
貴「うっわ、」
どさ、と床に押し倒されてしまった
打ち付けた後頭部や背中が痛い
貴「い、やだ、離せッ！」
灰「…俺のこと、拒絶すんの？」
貴「元々はお前だって悪い、だろ！腕離せって、」
灰「ふーん…？」
祥吾は私の手を一纏めにして片手で掴むと、腕を伸ばして置きっぱなしになっていた包丁を持った
それを逆手に持って振り上げた
貴「は…」
灰「…俺から離れるなら殺すって言ったろ？」
ヒュッと包丁が空を切る
ああ…私、祥吾に殺されるのか
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作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年12月13日 6時
