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あれから家に帰ってきた
多分帰ってくるまでに熱が上がったんだと思う
家に着いて、靴を脱ごうとしたらくらくらして倒れそうになって、祥吾に支えられた
意識も朦朧としてきて、どうやって部屋までたどり着いたのか覚えていない
多分祥吾が運んでくれたんだな
………今も、結構……やばい…
灰「A、大丈夫か？」
貴「……だ、ぃ…じょぶじゃ、ない…」
灰「…だろうな」
貴「は…っ………はぁ…」
灰「何でこんなに悪化する前に帰るって言わねぇんだよ」
貴「………しょーごが……いなか、った、から」
灰「…バカじゃね」
貴「うるさい………」
くらくらするし、座っているのもつらくて思わず身体が倒れる
倒れ込んだままの格好でいると、祥吾に抱き上げられた
力が入らず、人形のようになってしまう
灰「力、入らねぇの？」
貴「……………むり…」
灰「…着替えさせづらいな」
貴「ん………」
まだ制服のままだったから、祥吾が着替えさせてくれた
…脱がされながら考える
祥吾に、聞かれた
本当に他の女のところに行くのが嫌じゃないのかって
嫌じゃないって答えた
だって、他の女と遊んできた祥吾は可愛いから
私はどんな祥吾だって好きだし、愛してるよ
………他の女のところから帰ってきて、私じゃなきゃダメだって言いながら抱いてくれる祥吾が大好き
嫌じゃない
本当に嫌じゃない
だから好きなように生きて、祥吾
私はその全てを受け入れて愛してあげるから
愛情に飢えさせないから、ねえ
貴「………いなくならないで…」
灰「…あ？何か言ったか？」
貴「…なんでも、ない」
いなくならないで…だって
高熱は人をおかしくするんだな
いなくならないでなんて、依存じみてる
祥吾の依存がうつったかな
依存はされるのは良いけど、したくない
だってそんなに依存してしまったら…もし仮に別れる時はどうする？
行かないでくれと縋るのか、はたまた追いかけるのか
貴「祥吾、は…」
灰「なに」
貴「……もし、私と…別れるって、なったら…はぁっ…ど、する？縋る？追いかける？」
灰「…殺す」
貴「……ははっ、予想以上…」
灰「殺して、…もしくは、閉じ込めて、二度と離れないようにする。嫌か？」
貴「…いいや……考えてみたら、おまえに…殺されるのも、自由を奪われるのも、わるく…ない」
灰「……そうか。バカなこと言ってないで寝ろよ」
貴「ん…わか、った。おやすみ…」
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作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年12月13日 6時
