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灰崎視点
灰「……おい」
貴「ぐえっ、な、なに？」
部活が終わって、帰ろうとしているAの首根っこを掴む
…ネコみてぇだな
貴「…首が苦しい」
灰「お前さぁ…」
貴「………何でそんなに機嫌悪そうなの」
灰「…虹村さんとなに話してた」
貴「はっ？いつ…ああ、練習中？」
灰「そう」
貴「私の首の痕が見えるからってタオルを貸してくれたんだ」
灰「……痕って、これか？」
貴「多分それじゃない？お前がつけたんだぞ」
灰「もっと見えやすいところにつけてやろうか？」
貴「…虹村さんにタオルを返せなくなるからやめろ」
灰「ふうん、そんなに気に入った？ああいう気遣いの出来る男が良いわけ？」
貴「…………嫉妬してんの？」
灰「してる」
貴「ははっ、可愛い。虹村さんは大丈夫って言ってるだろ」
灰「…わかんねーじゃん」
貴「虹村さんはヒトの女を盗るような人間じゃないから」
灰「やけに庇うよな、虹村さんのこと」
貴「………祥吾」
少し低くて、呆れたような、それでいて諭すような声
怒らせたかと、不安になる
灰「…んだよ」
貴「……私、いい加減にしないと怒るよ。虹村さんとは何もないって言ってるだろ」
灰「…………信じるから、裏切るなよ」
貴「ちゃんと分かってくれた？」
灰「……ん」
貴「じゃあよし。裏切らないよ、こんなに可愛いんだから」
いつもの声に戻っていることに安堵しつつ、Aに頭を撫でられる
Aに撫でられるのは好きだ
安心、するから
貴「ほら、帰ろう？もうすっかり暗いし、寒いよ」
灰「…ああ」
貴「祥吾、手繋ごう」
灰「良いけど」
貴「祥吾の手、暖かいからさ。私の手、冷たいから暖めて」
灰「ん」
Aの手と自分の手を繋いで、ポケットの中に突っ込む
……本当に冷たいな
冷え性なんだったか
貴「…祥吾の手、やっぱり暖かい」
灰「お前の手が冷たすぎるんだよ」
貴「もしかしたら、祥吾に暖められるために冷たいのかもよ」
灰「………時々くせぇ事言うよな」
貴「うわ、失礼」
灰「…まあでも暖めてやるのは嫌いじゃない」
貴「ふふ、私も暖めてもらうの好き」
灰「……あんまり可愛いこと言うなよ」
貴「ん、」
Aの唇に軽いキスを落とす
だって、可愛いから
灰「…喰っちまいたくなる」
貴「……さすがに今日は無理」
灰「やらねぇよ。体調を崩されても困る」
貴「あは、確かに」
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作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年12月13日 6時
