セピア色の恋なんて (ページ8)

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episode7 ページ8

決勝は悔しい結果に終わってしまった。
3年生はだいぶ落ち込んでいてやるせない気持ちを抱えていたけれどそれでも次を見据えていた。
強いな、と思った。

新チームも始動しはじめて少したった頃、私は知らない女子の先輩に呼び出されることが増えた。

結城くんの妹ちゃんだよね、
哲くんどこの大学行くの？
他の野球部の3年生はどこ？
彼女とか好きな人いるの？

だいたいこれらを聞かれる。
そんなことを聞かれても分からないし本人に聞けないからと言って私に聞かれても困る。

最初は分からないで通していたが、聞かれる人数が増え、めんどくさくなり正直に言うようにしていた。

それを気に食わない人もいたのだろう。

ある日の昼休み、同じクラスの友達の冬花とクラスの違う春乃と3人でご飯を食べようとしていると

「結城Aちゃんよね？ちょっといいかしら」

3人程の3年生が私を呼び出した。

目が笑っておらず、行きたくなかったけど耳元でもう1人の子がどうなってもいいの、と言われたら行くしかない。

体育館裏に連れていかれベタかよと思ってしまった。

「あのね、私結城くんのことが好きなんだ。協力してくれるよね？」

「はぁ…んで何がしたいんですか？」

「妹なんでしょ？いろいろ教えてよ」

「いろいろと言われても…妹だからってなんでもかんでも知ってるわけじゃ……」

ドンッ!!

言い終わる前に肩を思いっきり突き飛ばされる。

「…ッた……」

受け身がとれなくて、尻もちをついた。
起き上がろうとして手首に力を入れると痛い。
捻っちゃったんかな、嫌だななんて呑気に考えていると

「で、協力すんの？しないの？」

「……はぁ。したくないです。」

3人は目配せしてからリーダー格の人が

「もっと痛い目にあいたいの？」

と、手を振りかぶったのを見てこれから来るであろう衝撃に備えてぎゅっと目を瞑る。

……しばらくしても衝撃が来ない。
恐る恐る目を開けるとそこには小湊先輩がいた。