セピア色の恋なんて (ページ12)

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episode11 ページ12

あの保健室での一件以来、上級生からの呼び出しは格段に減った。

なぜかとクリス先輩に聞いたけど教えてくれなかった。
なんでだろう。

そしてクラスでは春一くんと前よりも距離が近くなった気がする。話す頻度が増えたからかもしれないが、それでは無い、別の何かがある気がした。

ある日、春乃とお昼ご飯を食べながらはなしていた。

「ねーAちゃん、小湊先輩に告白しないの？」

「……え？」

その時の私は相当マヌケ顔だったと思う。

「だって前言ってたじゃない？好きだって」

「わああああ言わないで!!…それに、多分先輩好きな人いるし」

春乃は驚いたように目を開く。

「それにね、もういいの。だって私達ってマネージャーじゃん？野球しに来てる人の邪魔出来ないよ」

「……そっか。」

「ていうか私のより春乃の聞きたい！」

「え、ええ！わたし!?」

そんな話をしていると昼休みが終わり、授業がはじまった。

眠いな、なんて思いながらノートを取っていると後ろからメモがまわされた。

何これ、私に？

それには放課後ちょっと話せないかな、という内容と春一くんの名前が綺麗な字で書いてあった。

放課後になり、春一くんのところへ行くとクラスの女の子に囲まれていた。

春一くんは気づいてないけど実は結構もてる。そういうとこは兄弟で似てるなぁなんて思いながら待っていると

「ごめんっ、待たせちゃって」

「あ、ぜんぜん！えっと話って…？」

「部室行きながらでもいい？」

「うん」

2人で並んで歩く。それがすごく変な感じがした。