好き好き症候群【Knights】 (ページ5)

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4 レッスン……2 ページ5

「レオ、そこ勝手にステップ変えないの！」

「凛月ズレてる！サボるなら分かんないようにやって！」

「嵐周り見すぎ！自分のことに1番に集中！」

「泉ワンテンポ遅い！疲れても手ぇ抜いたらダメ！」

「司、裏声綺麗になってきたけどまだ雑！ボイトレもう1回させるよ！？」

練習が始まって1時間弱。本来ならプロデューサーはダンスや歌の指導なんてしなくていいんだろうけど、俺たちはまだ高校生でここは学校だ。割く人員も時間もない。そのため、プロデューサーが指導をしてくれるんだけど

「じゃあ、10分休憩するよー！水分摂って、ちゃんと休んで！」

このプロデューサーは厳しすぎる！いつもはふわふわの小動物の癖にレッスンの時だけ鬼になるってどういうことぉ！？……でもアドバイスは的確だから何も言えない。それに、

「今日、あと30分くらい？時間余ったな……。ソロ練しよっか。それぞれ歌とダンスね」

「うげぇ、まだやんの？もう俺動けないんだけどー……」

「じゃあ、凛月はお休みでいいよ。1人欠けるなら練習出来ないし、私UNDEADのトコに行くから」

「……別にやらないとは言ってないじゃん」

「んふふー」

このプロデューサーは、俺たちをやる気にさせるのが厭に上手い。だから、余計に何も言えなくなるんだ。気づいたら上手く言いくるめられてるし。……他のグループに行く気なんて、無いくせに。ほんっと、

「チョーうざぁい……」

ぼそっと呟いて、汗を拭うふりをして緩んだ口元を隠した。