やつがれちゃんが大好きすぎる皆様の重い愛を具現化した短編集。

芥川右固定話。 ページ47

◆



　何故毎回こんな目に合わなければいけないのか…。





【芥川右固定話】





「芥川君…私…君を見捨てたような真似をしたけど本当は違ったんだ…。芥川君、私は今素直になって君に伝えるよ。……好きだ、芥川君」






　いつも通り任務を終えて執務室で黙っていた。樋口がそろそろ報告を終えるだろう、などと思いながらその帰りを待っていた矢先。


　突如電話が。


　着信を見ると『太宰さん』の文字があり、消してなくて善かった…と呑気に考えているから内容が頭に入ってこないのだ。





「…………え？」

「だから私は君の事が」

「太宰さん！言った側から抜け駆けなんて！本当に殺しますよ！？」





　今の声は…。と嫌な予感はするが、予感も何もあれは人虎の声だ。何故…もしや探偵社から此処に電話を？





「太宰さん…その」

「芥川、太宰の事は気にしなくていい。あと貴様のこれからの予定も全て太宰が吐いてくれた。夕方には終わるそうだな。迎えにいく」

「なっ！国木田さんまで！もう“僕の”芥川が困ってます！“僕の”芥川が！」





　待て、話の内容が理解出来ない。何故こんな事態になっている？罠か？探偵社からの罠か？





「一寸待ちたまえ！いつ芥川君が敦君のものになったんだい！？彼は元から私のものだ！」

「いつからって…そんなの芥川と僕が出会した時に彼奴、僕の右足持ってったんですよ！？彼なりのアプローチ…いや告白です！」





　…電話を切ってもいいだろうか。これはもうかけている意味などないだろう。それに会話を聞いていれば先刻から寒気がして仕方ない。






「…」




　黙って通話終了のボタンをおした。


　再度かかってくる電話には知らない番号と『太宰さん』からの電話。全て無視していた。


　樋口が「いいのですか？」と聞いてきたので、「迷惑な奴等からだ、気にするな」と言った。だからなのか、全身を装備して探偵社に乗り込んでしまった。


　中原さんも中原さんで危険だから外に出るなとか、何が何だか分からぬ。


　そのせいで目眩がして倒れそうになれば、首領が横抱きにして「医務室に行こう」などと言う。


　僕の周りが可笑しくなっている。


♀♂


　えっ…えっ…えっ…




　映画ってマジですかァァアアァァァアア！？！？！？

　映画って！映画って！！あの大きなスクリーンでやつがれちゃんを見れるってこと！？！？


　朝っぱらから階段から落ちてしまいました(気違い)

太芥『二重人格』→←太芥『失言』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す