敦芥『美熱』 ページ24
◆
別に敦に撫でられるのが好きなわけじゃないからな!
【美熱】
「さっ、39度って…お前どれだけ我慢してたんだよ…」
体温計を片手に震える敦。別に僕、我慢とかしていない。ただつまずいた拍子に海に飛び込んで濡れたまま帰っただけだ。
それに敦とデートの日に風邪を引いてしまったんなんて格好がつかない。
「ゴホッ、やつがれは…ゲホッ!」
「あぁもう喋んなくていいから!食欲とかは無い…よね。いつもと変わらず」
呆れたように言う敦がなんだか悔しかった。別に食欲は無いけど困らせるのは嫌だ。
敦の服の袖をクイクイと引き、口をぱくぱくさせる。すると「食欲ある?」と聞かれたので、敦しか気づかないような大きさで頷いた。
「わかった!じゃあ今材料買ってくるよ」
しまった。これは不味い。敦がいなくなるとか考えられぬ。せっかくのデートの日を壊したのは僕だと言うのに。
もとい僕と敦なんか敵だったし、嫌いだった。それは今でも変わらない。だがそれがうまく出来なくなったのは何時からだろう。
気づけば敦が隣にいて、気づけば彼奴から「幸せにする!」なんて唐突な婚約前提の告白を受けた。
「あ、芥川?あの…手を離してくれないと……。あっ、寝てる」
買い物になんか行かないで。僕の側にずっといて。
お互いがお互いを求めて今日ここまで来た。
意味もないいさかいに夜な夜な泣いた。敦を嫉妬させて、そのお詫びに一緒に寝た。
「あつし…」
狸寝入りをしていた僕は無意識のうちに敦の名前を呼んでいた。が、失態はそこある。
「えっ?芥川?その…」
うっすら目を開けると顔を真っ赤にした敦。当たり前だ、普段名前で呼んだりなんかしない僕は、なんと言うも精々「中島」などの他人行儀だった。
「芥川、起きてる、だろっ…」
「………………寝ている」
「嘘つけ!目ぇ開いてるぞ!りゅっ、りゅーのすけ!!」
これは流石にびくん、となった。りゅ、龍之介…。敦が僕を名前で呼んだ。
ただでさえ高い熱がさらに上昇する。もう駄目だと思うや否や意識を手放した。
それでも、僕が寝ている間に買い物に行ったのはやるせない。だから取り合えず具合が良くなったらその唇にキスでもしてやろう。
♀♂
敦芥?芥敦?敦→←芥?敦×芥?敦&芥?よくわからん出来です。
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エリカ - リクエストいいですか?ドス芥お願いします!できればドストさんがヤンデレな感じのを… (2017年6月10日 18時) (レス) id: e5d2f5896d (このIDを非表示/違反報告)
福地さん(プロフ) - ああああああ!同志がいたっ!なんという幸せ!太芥いいですよね!!!文ストの中で一番好きなcpです!やつがれちゃんの儚い感じがすごい好き!!幸せになって欲しいっ!そして、表ではやつがれちゃんに厳しくしてるけど裏ではやつがれちゃんの事褒めてる太宰さん…好き (2017年4月5日 22時) (レス) id: 4a35111a88 (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - 桐宮さん» 二重人格好きです。続編にいったので是非…(^^) (2017年2月21日 22時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
桐宮 - 俺も異常だね。本当に好き。がれちゃん二重人格いい。 (2017年2月21日 22時) (レス) id: a7d473c89c (このIDを非表示/違反報告)
なかゞわとまと - kiiroitoriさん» 同類ですね。わたくしも馬鹿みたいに騒いでドタバタしてますよ(超迷惑) (2017年2月21日 21時) (レス) id: 59e0ee862d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なかゞわとまと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/TOMOTO/
作成日時:2017年1月15日 23時