*Bonds*16

４ ページ46

潤side


・


どうし…よっ…

相葉ちゃんが来て…。


いつも通りに，話し掛けよう。

この間のこと，ちゃんと謝ろう……。




そう思ってたのに。


「っ…。」

また，あのときみたいに，冷たい目をされるんじゃないか。

少しの緊張がどんどんふくれあがっていく。

結局，『ごめんなさい』は言えず終いで，どんどん時間が過ぎていく。




「っ…はぁ。」


やっぱり…怒ってる……かな。

俺が一番嫌いな，この雰囲気。




こんなの，いつもの嵐の楽屋の雰囲気じゃないよ。


いつも明るい相葉ちゃんが，こんなに静かで。

けど，それも……………全部，全部俺のせい。




ドラマの撮影もうまくいかないし，
人間関係も分からない。

もう，頭の中なんてごちゃごちゃ………。




そんなとき，開いた扉。


「お，おはよ…。」

翔くん……だった。



「っ……。」

この間の，俺を見つめる鋭い視線が思い出されて。

それを引き金に，メンバーの様子が蘇ってきた。




やっぱり…怒ってる。


うまくいかないイライラをぶつけて，
きっと…怒ってる。


謝らなきゃ，このままじゃ………俺……っ





お，れ…はっ………


「はっ，うぅ，く…っ。」

なんだろ。


突然，息がしづらくなった。




と，同時に，喉の奥が熱くなる。


………な，にこれ…っ





胸の奥から何かがせり上がってくる感覚。



「おえぇっ，うえ…！げほ，…え！？」

床に吐き出した『それ』を見て。





一気に，頭が真っ白になった。

５→←３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す