*Bonds*16

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雅紀side


・


シーン


静まりかえる，駐車場。

時間も時間なのかな。


そう考えたけど，
今日の駐車場は，静かすぎるってくらい静か。




まだ…かな。

マネージャー。



１人でいるときに限って，よぎるのはあの男の姿。

イヤホンつけてるあの男の……


「……っ。」





………あれ。

なんだ，この，変な感覚。




考え……すぎ…？






なんだか，嫌な汗が背中をつたった。


この，感じ………。


知ってる。




いつも，家に入るときに，感じるやつ…だ。

背中から痛いほど感じる『誰か』の視線。


大丈夫…



被害妄想だって…





誰も……


誰もいない…からっ。




でも，怖い…っ


痛いほど知ってる，この『見られてる』感じ。


どくんっ，どくんっ…

胸が，大きな音をたてる。




手が震える。


呼吸が，浅くなってくる。




「ふっ…はぁ，はぁ…っ。」


やだよっ

やだ…やだっ………！





こつ，こつんっ


静かなところには，本当に嫌なほど大きく響く。

そんな…足音。





こつっ，こつっ


いやだっ

……気のせい…であってほしかったのに………っ





近づく，電気に照らされた『その影』が，誰のものかなんて。


俺には，分かってる。

汗ばんだ手は，ぬるぬる気持ち悪くて，
叫んで逃げようにも，恐怖のあまり動けなかった。

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