【RKRN】命の火が消えたとしても

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血で血を洗う、戦火の中。

恋とは、儚く散りゆくものーー

選択肢

潮江文次郎
立花仙蔵
七松小平太
中在家長次
善法寺伊作
食満留三郎
浜守一郎
綾部喜八郎【彩瑛さんリク】
竹谷八左ヱ門【たけぱちさんリク】

＊死ネタ限定

●お知らせと謝罪●
この作品をご覧になって下さっている皆様へ
　約6ヶ月の間更新を放置してしまったことと、コメントをして下さった方々のリクエストにお応えできなかったことをお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。
　銀龍は時間をとることが難しくなり、これ以上は追加をすることがほとんどない状態となることと思います。リクエストをして下さっている方々には頭が上がりませんが、何卒お許し願います。
　拙い作品でしたが、これまでに閲覧して下さった方々、ありがとうございました。
　また、いつか。

　銀龍
　

9種類の結果パターン

最期まで、君を - 2024年5月7日

赤い液体が忍装束に染み渡っていく。それを止める術は既に僕には無い。

　戦闘で深手を負った。足をなんとか動かして、歩く。もちろん踏子ちゃんも一緒だ。

　すると、闇の中でさらに暗い穴を見つけた。それは間違いなく、僕が掘った穴だった。
　そこでふと思いつく。穴の中で最期を迎えるのも悪くない。

　僕は穴の中に入った。
　着地の衝撃で傷口に痛みが走る。

　「……誰!?」

　声が聞こえた。先客がいたらしい。暗闇なので顔は見えないが、女の人の声だった。

　「誰が、落ちてきたの!?」
　「落ちたんじゃなくて……入ったんだよ」

　僕は答えた。息を呑む音が微かに聞こえる。

　「僕もうすぐ死ぬんだ。放っといていいよ」
　「死んだお前と朝を待てと？ふざけるな!! 今すぐ消えろ！」
　「できないよ。君がここから出ればいいじゃない」

　そう言うと、女の人は黙った。

　「……私だって同じだ。落ちたときに足を怪我して、登れない」

　なるほど。この穴は僕の身長の倍ぐらいある。

　「そっかぁ。お互い大変だね」
　「なんでそんなに呑気なんだよ!?」

　思わず笑った。
　忍術学園にいたあの頃を思い出すのだ。僕はあのとき恋をしていた。ちょうど、この人みたいに強気で勝ち気な女の子に。

　でももうすぐ死ぬ。声を出すのもやっとになってきた。
　それがこの人は嫌らしい。そりゃ僕だって目の前で死なれるのは嫌だ。

　ならば……

　「ねぇ、君1人なら出られるんじゃない？」
　「あ!?」
　「僕が肩貸せば、地上に手が届くと思うよ」
　「お前、何を言ってるんだ!?」

　体はまだなんとか動く。
　輪郭しか見えない彼女に歩み寄る。

　「……ほら。早く」
　「おい！何を勝手に……」

　僕は強引に彼女を肩にのせ、立ち上がった。
　瞬間、ふらつく足、歪む視界。

　傷口から血が吹き出していく。

　「お前、何してるんだ！」

　いいんだ。どうせ僕は死ぬのだから。

　やがて、肩が軽くなった。彼女は地上に出られたらしい。

　一方、僕は大の字に倒れ込む。もう息をすることすらおっくうだ。

　上から彼女がこちらをのぞき込んでいるのが見えた。
　月明かりに照らされ、やっとその姿が露わになる。

　ーー不思議と懐かしかった。

　朦朧とする意識の中、最後に彼女が呟いた。

　「……喜八郎？」

綾部喜八郎『円の縁』

彩瑛さん、リクエストありがとうございました。