【歌い手】兄×禁恋、いかがですか？【日替わり】

7種類の結果パターン

可愛い子は、守りたいでしょ - 2024年5月14日

Today's Old Brother is…*Rib*


◇



『YOUちゃんのお兄さんって、ほんとかっこいいよね！』

そう言われたのは、数知れず。
雨の日に傘を忘れた時は届けてくれたり、雪の日は危ないからって迎えに来てくれたり。

その伝説は語れば語るほど尽きなくて、

私の高校ではちょっとした有名人。


「今日もね！YOUちゃんのお兄さんに会ってみたいな〜、なんて言われちゃって…、ほんとお兄ちゃん罪な男！」


寒い中から帰ってきて、その冷えた足を擦りながらカーペットの上に体育座りをしていれば、私の後ろに回って抱きしめるように胡座を掻いたのは、りぶお兄ちゃんだった。

小柄な方の私と、すらりとしてかっこいいお兄ちゃんの体だから、お兄ちゃんの腕の中にすっぽり収まって、…凄くあったかい。

これは、冬のいつもの光景。


「へぇ〜…、あ、これココアね」
「わ！ありがと！」

私にココアを入れてくれるのも、私の学校の話を聞いてくれるのも、いつもの光景。


「…そう言われてもね…、YOUも、ちゃんとそういうのは断ってくれよ？」


彼は自分で淹れたコーヒーを一口。
そのあと、そう言ったのだ。


「…こんなに妹にデレデレな姿見たら、みんな引いちゃうんだから」


学校にいる本人よりも、人気者な兄に悪態をついてしまえば、くすくすと頭上で笑われた。
なんで、そんな笑うんだろう…と振り返ってみれば、兄の大きな手に、前髪を掻き分けられて、


「そうだね。…でも、そんな俺の姿を知ってるの、YOUだけでいいじゃん…？」


とろんと熱を持った瞳で、兄はそう言って、「ね？」って囁くなんて。
彼によって晒された額に落ちてきたのは柔らかい唇。

びっくりして、ぱくぱくと言葉の出ない唇を動かせば、兄はよいしょと立ち上がって、


「ほら、学生は宿題しなさい？」


兄の顔と、大人の顔。
そうやって、使い分けるのは…狡いよ。


◇


「コメントと評価で、明日はケーキで甘やかしちゃうよ…

ね？…YOU」

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