+ NARUTO 暁 ～もう１つの物語～+

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Aさんの診断結果

永久に…(サソリ)女のその一言で俺は思い出してしまった。夢で見た女、写真、そしてこの女の顔。それは昔俺が里を抜ける前によく一緒にいた“あいつ”にそっくりだった。

蠍「……そいつは、死んだのか」

A「……」

蠍「……なら、お前はそいつの………」

A「そんなこと……、貴様には関係のないことだっ…！」

そう言うと女は目に涙を浮かべながら俺にクナイを突き出した。しかし俺は素早く女を避け女の背後にまわると毒の付いたクナイを女の背中に突き刺した。

A「…ぅぐっ……！」

女は鈍い声を出してその場に倒れた。毒の効果が早くも効いてきたのか女は体が痺れてもう自力で立つことができないでいた。

蠍「そのクナイには毒を付着してある。時期にお前は死ぬ……」

A「……っ、……まだよ、まだあたしは、死ぬわけには……いかないのよ……！」

女は荒れた声で懸命に話してくるが時間はもうない。強がっていられるのは今のうちだ。毒が体内に入ったなら数分、いや数秒で女は確実に死ぬ。

A「私の母はっ……、死ぬ前までずっと…、待っていたのっ……！サソリは帰ってくるって……！サソリに会いたいって…、ずっと……ずっと！……だから私はそのサソリに会って……、そいつに会って里に連れ戻してっ……今はもうここにはいないけど、母に会わせてあげたいのよっ……！！だから、……だから私はこんなところで死ぬわけにはいかないのよっ……！！」

女はぼろぼろと涙を流しながら全てを話しした。“あいつ”が俺を待っているだと？そうか。だからあいつは死んでもなお俺の夢の中で探し続けていてくれていた。俺に会うために必死に走り続けてくれていたのか。やがて女は声もだせないほど衰弱していった。

蠍「…おい女……」

A「……」

蠍「【赤砂のサソリ】は俺だ」

A「……！」

蠍「もし天国であいつに会ったら伝えておけ。もう俺の夢にでてくるんじゃねぇ、もう俺はお前を忘れたりはしねぇから、ってな」

そう言うと女は微かに微笑んだ。そして最後の声を振り絞って俺にこう言った。

A「……殺されたのが……あなたでよかった…………最期に……あなたに会えて…………よかった…………」

聞こえなかったが女は最期に“ありがとう”と口を動かしてゆっくりと目を閉じた。それから女は動かなくなった。女の目からは一粒の涙がほほを伝っていた。