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「っっ…!?」



ドクン…、息が止まるかと思った。

それだけでもものすごい衝撃だったのに、呟きは止まることを知らない。



「みつ、…みっくん。……ふは、みっくんはさすがに無いか。でもみつじゃメンバーも呼んでるしなぁ…」



ッ…クシッ…



「あ、寒いね。ごめんごめん…」



これ以上平静な顔で聞いていられなくて、寒がるふりをして体勢を変え顔を半分隠した。
優しい藤ヶ谷は布団を肩の上まで掛け直してくれて、体勢をモゾモゾと動かしている俺を優しく自分の元へと引き寄せた。

やんわりと抱きしめられ、藤ヶ谷の香りでいっぱいになる。
やっと薄目を開けることができ、藤ヶ谷の素肌を見つめながらかわいい独白の続きに耳を傾ける。



「ひろみつ…、っ…やべ、恥ずかし…。
今更ひろみつとか呼んだらぜってー笑われそう…」



その言葉にプッと吹き出しそうになり慌てて唇を柔く噛み締める。
でもニヤける頬を抑えることはできそうもない。



「……ひろ」



……どうして呼び方ひとつにそんなに拘る必要がある。
……どうして、そんなに愛おしげに俺を呼ぶ?





『あぁ…』

『めっちゃ愛しい…』





溢れ出た感情そのまま口にしましたとばかりの言葉に、声を出すことができなかった。
少しでも口を開けばみっともなく泣きじゃくりそうな予感がしていたから。

愛しい、だなんて…。
今まで生きてきてただの一度も使ったことがないその言葉を、藤ヶ谷はいとも自然に俺に向けて発した。

全身が震え上がるくらいに、嬉しい言葉だった。




…だから俺は、堪らなく怖くなってしまった。




「ひろ…、うん。ひろがいいかな…」



絆されたんじゃない…ものすごい速度で坂を転げ落ちるような感覚で、俺は藤ヶ谷に恋をした。
そしてそれは恋なんてかわいらしい想いでは収まりきらなくなってしまった。

今が一番幸せで、…さっき冗談交じりで言われた言葉をそのまま使うなら、もう俺の人生何の悔いも無いと思えるくらいには幸福で満たされていた。




だから怖いと思った。




この幸せの絶頂の先にはきっと、終わりに向けての緩やかな感情の下降しか無いのだろうと悟ってしまったから。

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絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 本編のみったんはやや不安要素を残して終えましたが、アフターストーリーの番外編ではそんな杞憂も消えたいぴにすっかり心預けているみったんを描けていればなぁと思う次第であります(*゚▽゚*) (3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» たいちゃんらぶさん♪たいぴの勘違いからコメディ風に進み、そして甘々シーンを経てより一層幸せな二人にできて私も嬉しく思います( ̄∀ ̄)♪Yの証人も楽しんでもらえてよかった〜♪ (3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ユキスケさん» ユキスケさん、お久しぶりです(^^)♪私まで優しくなれそう、そのお言葉に本作を創って良かったなと心から思えました…!Yの証人もありがとうございます(笑)第三者目線はなかなか新鮮で楽しく書けました♪ほっこり甘々な二人にできて良かったです(*゚▽゚*) (3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - ピンクピーチさん» ピンクピーチさん、いつもありがとうございます♪今回は完全片想いから始まるという珍しい入りでしたが、甘々な着地にもっていけてホッとしております( ̄∀ ̄)横尾さんエピも楽しみながら追加しましたが、楽しんでもらえて良かったです(^^) (3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - *コウ*さん» コウさん、初めまして(^^)序盤からもどかしい二人を見守って下さりありがとうございました!今回かわいめなきたーまさんを書けて私も大満足です(*゚▽゚*)また別の作品でお会いできる事を楽しみにしています♪ (3月18日 20時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2019年12月21日 13時

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