呪術廻戦〜貳爪探し〜

友人の死に関すること ページ32

「この拳銃､まぁそんなに高くはないけど…高専からの貸出って形で使うことはできるよ」

『…因みにお値段は？』

五条先生は家入さんから電卓を受け取り､パチパチと片手で打っていく

「ザッとこれくらい…」

その電卓に表示されている数字に私は絶句した

『…？！た…たっか…』

パッと目に入っただけでも0が6つはあった…

五条先生はニヤニヤと笑いながらその電卓を家入さんに返す

「君も術師になったらこれくらい直ぐに買えるようになるよ」

『どっからお金が入ってきてるんですかソレ…』

五条先生はその問いには答えず､襖を開けて元の部屋に戻っていった

私も来るように､と視線を向けられる

本当に唯3回ほど蹴っただけだった…



「君の戦い方も大体把握したところで…そうだね 明日からは真希に直接 近接戦闘のノウハウを教わるといいよ 呪具ならいくらでも貸すからさ」

『分かりました』

家入さんは既に退室し､虎杖は暇そうに雑誌を開いている

虎杖も ただただ蹴られただけだ…

「それと､君のお友達の…"由梨ちゃん"について詳しく教えて欲しいんだけど」

『あぁ…はい 勿論構いませんよ』

私は知っている限りの情報を全て五条先生に伝えた

と言っても大したことは何もない

由梨の住所､家系､出生など様々…

言ってもいいものかと少し悩んだけれど…

実のところ､由梨の家族は"本当の家族"ではない

所謂孤児というやつで…今の家族は子宝に恵まれず､養子として引き取られたらしい

実の両親がどうなったのかなんて､本人もまるで知らなかった様子

それでも､お金持ちで優しく…何より偽とはいえ両親に愛されて育った

そんな由梨が､私は羨ましくも思った


まぁ…由梨の死でご両親はかなり参っていたようだけど

しかも私の虐め(仮)のせいで､自ら死んだなんてクソ教師から聞かされてるし…お葬式にさえ参列しずらかった

でも行かなくて正解だったかもね

元凶の私が出向いていたら何を言われたことか…

葬式が無事に終わった後､いつ由梨の両親に訴えられるだろうかとヒヤヒヤしていたけど

結局あれ以降音沙汰なしだ


「…成程 まぁそれくらいで十分だよ 後はこっちで調べとく "由梨"を殺した呪霊の存在が把握され次第､Aが任務につけるよう手を回しとくよ」

『…はい ありがとうございます』

少しずつでいい

私は確実に､あの呪霊へと近づけるように…

日々の訓練→←通用しない男

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す