【黒バス】素行不良が緑髪のお姉さんに恋をする話【高尾和成】 (ページ30)

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二十八話　凛々しい顔ページ30

「あのー、そろそろAサンの他の情報教えてもらってもいいっすか！」

和成君が、笑顔を浮かべてこちらを見る。
ほ、他の情報？

『えっ…とー、秀徳高校って知ってる？』

そう聞くと、すぐに三人そろってうなずいてくれた。
虹村君が「バスケ強い所っすよね」と言ってくれたので、うん、そうだよ、と笑みを返す。

『私ね、秀徳高校バスケ部のマネージャーしてたの』

「えっ、そ、そうなんすか！？」

大袈裟に驚いて口をポカリと開ける和成君。
何かと思えば、バスケをしていないのはこの中で俺だけだと、ショックを受けたらしい。
そういえばそうだね、和成君帰宅部だった。思春期の心はなんてナイーブなんだろうか。

「ざまぁみやがれ金髪野郎」

「高尾だっつーのー！」

『はいはい、仲良く仲良く。』

「なだめんな！」

しょーご君は元気だなぁ。
思わずほのぼの。

…それから暫くして、和成君がやっと静かになった。
彼はどこか真剣な表情で、ジッと床を見つめている。

『…和成くーん…？もしもーし？』

「Aさん、」

『え、は、はい』

突然ギュルンと体をこちらに向けた和成君。驚いたのでどもった返事を返すと、
彼は再び口を閉じて、自由の聞く右手で私の肩をがしりとつかんだ。な、なに？

「俺…秀徳高校目指します！！」

ビシィッ。

つりあがった凛々しい瞳で強く宣言した和成君。
外野の虹村君としょーご君は不思議そうな顔を浮かべている。

『えっ…あ…

　ど、どうぞ…。』

「マジっすか、よっしゃ！俺、めちゃくちゃ勉強します！！」

『それは…うん、いい事だね。』

彼に何があったというのか。
しょーご君も少したってからハッとしたような顔で、「俺も目指します！」と宣言してきた。

いや、うん、だから何で？？
きょとんとしていると、虹村君が私の背中をぽん、と押してきた。

『一体彼らに何があったのでしょう、虹村君…』

「……さぁ？」

おいコラ何だ今の間は。絶対知ってるだろお前。

そして私が目を離している隙にほっぺの引っ張り合いを始めた二人。
キミら怪我してるくせに何してんの？
いや、っていうか…

『病院で喧嘩するなよ！！！』

本日二度目の私の怒声が、待合室に響き渡った。