十話 お前に美人とかいいたくないわ ページ12
…まぁ、しかし。
「…姉弟というだけあるな。お前もよく見てみりゃAさんと同じで美人だわ。」
「気持ち悪いのだよ」
「即答かよ」
でもそうだよな気持ち悪いな何いってんだ俺。言ってから後悔したわ。
っていうか、まてよ、コイツがAさんの弟ってことは…、
「弟さん!!貴方のお姉さまを僕にくださ「誰がやるか!!!」ギャアア耳元で叫ぶんじゃねえ!」
せめて最後まで言わせろよ。
そう心の中で悪態をついた瞬間、腕の中にいたAさんがもぞりと動いた。
『私からもお断りしまーす』
「………うおああああ!??」
いつから起きてたの!?いや一回起きてたけどさ!!
あまりにオーバーな俺の反応をみて、Aさんはクスクスと笑った。可愛い。
「ってか、…お断り…って、」
『えー?あたりまえでしょ、私貴方の事何一つ知らないもの。
あ、離してもらっても大丈夫、私もう一人で平気だから。』
呆然としている中、俺は流されるままに腕の力をおとし、Aさんをはなした。
Aさんは「真ちゃんもありがとうね」と言って笑った。し、真ちゃん?
「…俺からも礼は言う。が、もう姉に近づかないでほしいのだよ…汚れる」
「汚れる!?」
さっきから言いたい放題言いやがって、Aさんは口ぶりからしていい人そうだけど、
弟のほうに好感は得られないぞ。なんだこいつは。
『今日は本当にありがとうね、またあとでお礼させてよ』
ぽん、
頭にのった手のあたたかさが、じんわりと広がる。
奴への怒りなんて、すぐに消えてしまった。
「、あっ…え、」
Aさんの薄い手のひらは、俺の頭をふわりとなでた。
それだけでどうしようもないくらいに顔が熱くなる。
『あっは、真っ赤。かーわいーい』
「っ…か…」
からかわないでくださいよ。
そう言いたかったけれど、口がうまく開かない。
…年下の心をもてあそぶなんて、なんて意地悪なお姉様なんだろうか。だがソコがいい。
別れ際に、バイバイ、と手をふられた。
…どこまで子供扱いなんだろう。それともアレがAさんの普通なんだろうか。
どちらにしても、可愛いからどうでもいいやという結論に至った。
「……あ、メアドとか苗字とか…きいときゃよかったな」
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俺@悪童で悪童依存症(プロフ) - 設定に某有名詩人がw (2015年4月7日 13時) (レス) id: 0009840cf6 (このIDを非表示/違反報告)
狐狗狸@柚月れん。(プロフ) - 秋谷さん» いやマジで← (2014年1月12日 20時) (レス) id: 82756433f9 (このIDを非表示/違反報告)
秋谷(プロフ) - 狐狗狸@柚月れん。さん» やめwwwなんてことをwwww (2014年1月12日 20時) (レス) id: 58b118e985 (このIDを非表示/違反報告)
狐狗狸@柚月れん。(プロフ) - 一話のサブタイトルが『特攻野郎Aチーム』に見えたのは僕だけだろうか← (2014年1月12日 20時) (レス) id: 82756433f9 (このIDを非表示/違反報告)
秋谷(プロフ) - ちぃたむさん» 不憫なキャラ好きなんですよグヘヘ ありがとうございますありがとうございます!がんばります! (2013年11月21日 18時) (レス) id: 58b118e985 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:秋谷 | 作成日時:2013年11月16日 22時