第２５話 ページ11
ノ「月読と天照...二つの能力をこの眼に開眼したときに、一緒に宿ったもう一つの能力よ」
俺の呟きに、姉さんが説明してくれた。
今は俺が殺そうとしているのに、丁寧に説明してくれるあたり、まだ姉さんは優しいままだったんだと思わされる。
ノ「麒麟の他に、まだ隠している術があるなら、出し惜しみなくかかってきなさい...。私も......本気を出すから」
姉さんが言い終わった瞬間、姉さんを覆っている須佐能乎の骨格の姿が、次第にハッキリしてきた。
その骨格は肉で覆われ、甲冑を纏い、手には盾のようなものを持っている巨人へと変貌していった。
その姿は、まさに“鬼神”。
姉さんの切り札である術、須佐能乎を見てしまった俺は、「ああ...姉さんには敵わない」と諦めかけてしまった。
しかし、そんな俺の頭の中に、何処かで聞いた嫌な声が響いた。
......
ノエルside
サス「うぐっ......ぐあああ！！」
サスケの呪印から、白い鱗がついた蛇が出てくる。
その蛇は音を立てて、私の須佐能乎よりも巨大な大蛇へと変わった。
その大蛇は、八つの首を持つ白い大蛇で、私を威嚇している。
ノ「......やっと出てきたのね」
私の可愛い弟を苦しめてきた、元凶の蛇が。
「シャアーーッ！！」
私が一歩前に出ると同時に、大蛇が襲いかかる。
次々と襲いかかる大蛇を、私は須佐能乎が持っている剣で斬り、盾で防ぐ。
残り一つの頭だけになったときに、異変が起きた。
その大蛇は、口を大きく開いた。
ついに出てくるか...。
私がそう思っていると＿＿＿＿
「アハハハっーッ！」
ノ「......」
誰かの笑い声が聞こえた。
大蛇を見ると、大蛇の口から出てきて身を乗り出している大蛇丸が。
そして、大蛇丸が何かを口から出そうとする。
大蛇丸の口から出てきたのは、“草薙剣”だった。
大蛇丸「これよ！これを待っていたのよ！貴女のおかげで、サスケ君の抑えチャクラが消えてくれたわ！」
大蛇丸は草薙剣を振りかざし、悪役の笑みで喜んでいた。
大蛇丸「これを機にあの子の体は私が頂く。そして......」
グサッ
大蛇丸「え？」
ノ「ごめんなさい。ムカついたのでつい...」
弟を、サスケを散々苦しめた罰だ。
私はそういう意味も込めて、須佐能乎の剣で大蛇ごと貫いた。
大蛇丸「この程度の攻撃で、この私を倒せると思って......」
そこまで言って、大蛇丸の表情は、不適な笑みから驚きへと変わった。
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作者名：紅暁武 | 作成日時：2018年1月30日 15時
