【黄瀬涼太】星の座る場所 ★ ﾃﾞﾈﾌﾞ ★

◆2=1◆ ページ5

"もう3時ね"



"そうっスね"



"こんな綺麗な夜は初めてよ"



"へへ、素直に嬉しいっス"



"気分がいいから、ひとつ教えてあげる"



"なんスか？俺のお姫様"



"私が星を好きな理由。これはﾄﾞﾛｰｶﾞさんにもﾚﾊﾟｰﾄﾞにも話さなかった"



"えぇ！ﾏｼﾞスか！"



"私が思うに、星はきっと…消えた魂の願望の象徴だと思うの"



"え…"



"生きているｳﾁに輝きたかったって、そう願った心を、神様が照らしてくれてると思うのよ"



"じゃあ、笠松ｾﾝﾊﾟｲ達も…？"



"私の妄想でしかないけどね"



"……だからあんなに、綺麗なんスかね"



"そうね。だからあんなに、一杯在るんじゃないかしら"



"見て、くれてたんスか。皆…俺を"



"死んだら消失するとは限らないでしょう？"



"そうっスね"



"それに、何処にも辿り着かずに消えるなんて想いたくないわ"



"……そうっスね"



"私はもう、死ねない。消えたくても永遠に。でも、あなたを愛する事が出来るなら…"



"なら？"



"この世界に在り続けるのも、いいんじゃないかしら"



"………"



"な、何よ。急に黙って…"



"…俺の為に、さっきは泣いてくれたし、Aっち…本当に俺の事を好きになってくれたんスね"



"なっ!? ば、馬鹿言わないでよ!!"



"それに、俺の動きにも合わせてくれたし。"



"よく…そんな恥ずかしい事をっ…平気なﾌﾘして言えるわねっ…"



"え？もしかして不安？下で反応するAっち可愛かったっスよ？"



"きゃああああ！それ以上言ったら本気で殴るわよ!?飛ばすわよ!?"



"ふひひひwww"



"はぁ…もう…"



"明日…って、もう今日だけど。お父さんの事…、良いんスか？"



"……仕方ないわよ。父親だから残しておきたいなんて甘えは通用しない"



"………"



"父は、それほどに重い罪を背負っちゃったのよ"



"……辛いなら、また、俺の腕の中で…泣いていいからね。Aっち"



"……ふん。すっかりその気になって…もう泣かないわ。"



"強がっちゃ駄目っスよ？Aっち。今まで涙流せなかった分、俺が一杯甘やかしてあげるから"



"………………本当…ｽﾞﾙいわね…あなた。"



"えぇ〜？何がっスかぁ…"



"そういう所も、好きだけれど"



"っ………へへ、俺はもっと、Aっちが好き"



"じゃあ、今日の12時に。"



"うん。俺も頑張るっス"



"死なないで、頂戴ね"

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