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9話 ページ11

 
 
 
 
 
「染谷先輩!」


「姉御!いつもうちの倉持先輩と御幸一也がお世話になっております!」


「こんにちは」



午後の授業が終わり、放課後。

いつも通り練習が始まる前に飲み物を用意していると一年生三人衆に呼び止められた。



三人とも、一年生ながらベンチ入りを果たしたすごい子たちだ。



沢村くんに関しては私を姉御と呼ぶのをやめてほしい気持ちはあるけど。




「こんにちは、どうかした?」


「いえ!この前、先輩にスローイング教えてもらったじゃないですか?あの後、兄貴に褒められて!」


「はは、それは良かった。私で良かったらいつでも自主練付き合うからね」


「はい!ありがとうございます!」



興奮気味に頬を紅潮させて笑う春市くん。
可愛い、とても可愛い。
亮さんが可愛がりたくなる気持ちも大いに分かる。




「姉御!今度はブルペンに来てくだせえ!」


「えっ、私ピッチングに関しては何も分かんないけど…」


「御幸一也の毒舌を緩和して頂けると助かりやす!!」



「…それは要相談かなぁ」


「姉御!!そこをなんとか!!」




猫目になって必死で訴える沢村くん。可愛い。
きっと反応がいいから御幸も遊びたくなるのだろう。



「僕も先輩に見てもらいたいです。夏までにスタミナロールを克服してみせます」


「うん?スタミナロール?」



降谷くんは何というか、とても天然だ。
背はすごく高くて、球威も気迫もすごいのにマウンドから降りるとこのぽやぽや感。正直、可愛い。



あれ、さっきから私この三人に対して可愛いとしか言ってない気が。





「おい、沢村。早く荷物置きに行け!」


「げっ、倉持先輩!!それと御幸一也!!」


「おいおい、俺はついでかよ」



沢村くんの絶叫を聞き、振り向くと倉持と御幸の姿が。

倉持は沢村くんのお尻に軽く蹴りを入れると、私に目を向けた。

なんだろう、ちょっと気まずい。




沢村くんたちが去ると私も飲み物を運ぼうと歩き出す。


すると、そこに手が伸びてきて…




「持つ」




相変わらず不機嫌そうな顔だけど、飲み物を運ぶのを手伝うと言ってくれる倉持。



優しいなぁ。そういうところが大好きだ。
きっと内村さんは、もっと優しい倉持をこれから知るんだろうな。
私の知らない、倉持を。




「いいよ、持っていけるから」


「…なあ、お前」



倉持が何か言いかけたけど、同時に貴子先輩が私を呼ぶ声がして「はーい!」と返事をし、私はその場を去った。

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マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです 丹波さん好きだけど小説無いんで (2020年8月15日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マカロニ | 作成日時:2020年7月24日 12時

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