鬼隠し9 ページ10
「そんなものまで持ち帰るの?!」
高「え…だってかぁいいじゃん!!…ケンタ君もお持ち帰りしたいなぁ…」
「ケンタ君?」
まさか…そういう趣味…
高「うん!!宝の山に埋まってたんだ!」
あぁ…
「ケンタ君か…フライドチキンの店先に置いてあるやつ…ゴミだし持ち帰ってもいいんじゃない?」
すると和は少し悲しそうな顔をして
高「ずっと下の方に埋まってて掘り出せないんだよね…」
「…ふーん」
和には日頃お世話になってるし…
「…仕方ないね、私も手伝ってあげる」
私がそう言うと和は嬉しそうに笑って
高「えっ…わ、あ、ありがとう!!Aちゃん!!///」
と言った。
さっきの物騒な話…和なら何か教えてくれるかも
「ねぇ、和」
高「ん?何?」
「さっきのゴミ山、あそこで何かあったの?」
高「あー…ダムの工事をやってたんだってー、詳しくは知らないけどな」
「例えば…工事中に何かあったとか…事故とか、事件…」
私はそう言いかけた
が、
高「知らない」
「えっ…?」
それは…返答というよりはっきりとした拒絶だった。
そんな和の言葉を聞いたのは初めてだった。
吃驚している私にさらに付け加えて和は言った
高「実は、俺も去年までよそに住んでたんだ」
「えっ…和も転校生だったの?」
高「だからそれ以前のことはよく知らないんだ。ごめんな?」
よく知らない?本当に…?和は話したくないだけなんじゃ…
『嫌な事件だったな』
『腕が一本、まだ見つかっていないんだろ?』
木吉さんの言葉が真実なら雛見沢に一体何があったんだろう
高「Aちゃん!!早く帰ろうぜ!!」
「う、うん…」
カナカナと蜩の鳴き声がどこまでも聞えていた
結局昨日はテレビもつけずに不毛な想像を広げていた
殺人事件なんて珍しくもないけど…和のあの反応は一体…
宮「A?元気ないな?」
隣に座っている清が顔を覗き込む
「い、いや…そんなことない…です」
宮「?そうか?…じゃあ、始めるか…さてと、今日は会則にのっとり、部員の皆に聞く。八月一日Aを新たな部員として俺らの部活動に加えたいんだが…どうだ?」
高「俺は異議なーし!!」
黄「貧民風情に俺の相手が務まるっスかね!」
黒「僕も涼太君も賛成ですよ」
宮「スコアボード貼っとくぞ。ビリ一回につき『×』マーク一個な」
「え、いや…部活って何?…おいコラパイナップル」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:柘榴 | 作成日時:2015年3月21日 8時