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「月刀Aさんですよね。俺のこと覚えてますか?」

横に座る嵐山さんをちらりと見る。彼はどこか真剣な表情をしていた。

「もちろんです。私が警戒区域内に入ろうとしたあの日、助けてくれましたよね」

そういうと嵐山さんの口角は緩やかに上がり、ほっとしたように雰囲気を柔らかくした。

「良かった。月刀さん、あの後記憶封印措置を取られたと思ってたから……。今日月刀さんを見かけて驚きましたよ。ここまで強かったなんて」

あの日、俺が戦わなくてもよかったくらいですよね、嵐山さんは少しだけ困ったように眉を寄せながら私に話しかける。あの日私は一般人を装っていたから。

「気分を悪くさせたなら、すみません。でもあの日は私、トリガーを持っていなかったから」

私の言葉に嵐山さんは一瞬口を噤む。その一瞬止まった空気に私は自分の発言を振り返る。トリガーを持っていなかった、それはつまりあの時点で私は「ボーダー関係者であった」と言ったようなものだ。嵐山さんはA級だ、どこまで私の情報を知っているのか知らないけれど、私が今日ここにいたことに驚いていたということは、私の素性は知らないということ。

「……迅から聞いてたんです」

止まった空気を壊すように嵐山さんは声のトーンを少し下げて私だけに聞こえるように話しかける。知った名前が出てきて、思わず私は嵐山さんのほうへ視線を向ける。

「玉狛から2人入隊するって。一人はネイバー、もう一人は俺の知ってるやつだって」

嵐山さんは迅と仲が良いのだろうか。迅のことを呼び捨てにするということは同い年なんだろうか、そんなことが頭をよぎる。

「誰なんだろうってずっと思ってたんです。そしたらまさか月刀さんだったなんて。……月刀さんは迅と仲がいいんですか?」

今さっき自分が思ったことを逆に目の前の人に質問される。私は一瞬固まった。迅が嵐山さんにそう言った意味を考えた。迅は意味のないことはしない。きっと面白そうだったからというのもあるとは思うけれど、迅は嵐山さんのことを信頼しているのだと理解できた。

「迅とは、昔からの馴染みなんです。私、旧ボーダーにいたので」

そういうと嵐山さんは驚いたように目を丸くする。遅かれ早かれ話は広まるだろうけれど、迅が信頼しているならと、私は自分の素性を話し始める。

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- なぎささん» なぎささんコメントありがとうございます!好きと言って頂けるだけでありがたいのに5回も読み直して頂けるなんて恐縮です…!本当に本当にありがとうございます!嬉しすぎて泣きそうです…不定期更新でご迷惑お掛けしますがこれからも頑張りますね! (2022年10月1日 20時) (レス) @page49 id: 79e67df0bc (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 更新ありがとうございます!この小説が好きすぎて5回は読み直しました...これからも応援しております🥳ご無理のない程度に頑張ってください! (2022年9月30日 20時) (レス) @page48 id: 0fe7f18098 (このIDを非表示/違反報告)
- 璃々さん» コメントありがとうございます!手探りで進めているようなお話ですが面白いと言って頂けて本当に嬉しいです!続きも待ってくださるなんて本当に嬉しすぎて転げ回っております…本当に励みになりました!不定期更新で申し訳ないですがこれからも更新頑張りますね! (2022年7月30日 0時) (レス) id: e6b083c4a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - コメント失礼します!近界から帰ってくるっていう新しいタイプのお話ですごく面白いです!!!夢主の実力がどのくらいかとかほんとに気になって仕方ないです…続き楽しみに待ってます!頑張ってください!!! (2022年7月29日 19時) (レス) @page31 id: e950c5fcca (このIDを非表示/違反報告)
- ゆん。さん» コメントありがとうございます!世界観にハマるだなんてとてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます!私もゆん。様のお言葉に励まされ飛び上がって喜んでおります…!これからもちょこちょこ更新しますのでどうぞよろしくお願い致します! (2022年7月15日 12時) (レス) id: d84ec32568 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年6月30日 2時

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