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6.地獄の沙汰も ページ21

とある夏の、暑い日のことだった。

「いらっしゃいま……せ…」

俺は助っ人としてアルバイトを頼まれたファミレスにて、部活終わりにバイトをしていた。見た目が不良すぎる俺が受け入れられてしまうあたり、相当の人手不足らしい。

いやぁ、暑いね〜なんて会話をして入って来たのは、原と花宮。俺は平然を何とか装って、花宮達を睨みつける。

「お客様、麻呂眉と前髪不審者男のご利用はお断りしてます」

「おいコラ山崎」

「悪りぃが花宮、原、俺にはここを守らなきゃならねぇ理由がある。ここを通したら悲しむやつが__」

そう、この奥には花園がいる。彼女はなんと例の"黒子くん"とやらとのデートの途中だったらしい。(ちなみにガチの黒子テツヤだった)

こんなところを花宮に見られたものなら、もはやこのファミレスは地獄と化す。それはもう、クソ暑い中熱湯風呂に入っていた方がマシなんじゃないかと思えるほどに。

それに俺は、花園を守る使命が__

俺はあの日から、花園を守ると決めたのだ。
目を瞑って、花園との中学の記憶を思い出す。あれもこんな暑い夏の日だった。

花園と市営プールに行った帰り、花園は突然ピザを食べたいと言い始めた。もうそれもその時に始まった話ではないので、俺は黙って花園についてファミレスに向かった。

問題はその後、花園は化学実験が大好きなのもあってか、ドリンクバーのドリンクを全て混ぜるという奇行に走り出した。
それを飲んだ花園(自業自得)の涙に潤んだあの瞳を、俺は忘れない。そうして俺は彼女を守ると誓ったのだ。

が、同時にその後その禍々しい色をしたドリンクの味も思い出した。あぶねえ、その後に花園が飲めなくなったあれを飲まされたことをすっかり忘れていた。
前言撤回、花園マジ悪魔。多分あれなら俺が守らなくても生きていける。


「あ、あれ花園ちゃんじゃん」

俺が瞑想に浸っている間に、原が気づいてしまったらしい。おーい、と手を振りそうになるのを、必死に止める。

「ばっ、ちげぇよあれは花園じゃねぇ、花園のコスプレした松本だ」


「ザキ、それは無理ある」

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漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2020年10月20日 18時) (レス) id: 7e6458e2b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 征羅さん» ありがとうございます。面白いと思っていただけるように意識してるので、そう言っていただけるのはとても嬉しいです。返信遅くなってしまってごめんなさい、これからもよろしくお願いします。 (2020年1月26日 19時) (レス) id: 718a0c6063 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - すごく面白いです。毎回爆笑してます。あからさまに笑いを狙ってないような感じが好きです。今まで俺が見た小説とは違う面白さで、すっかりハマってしまいました!更新頑張ってください。 (2019年10月1日 0時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます。受験生なので更新が遅くなってしまいますが、頑張りたいと思います。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: 718a0c6063 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 面白いですら楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: 74e459d58c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずりは | 作成日時:2019年5月4日 15時

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