4.運命予行練習 ページ12
「…何やってんだお前ら」
十字路の角に立つ花園、もうちょい右、もいちょい前、と声を掛けて花園の位置を微調整する原。そしてその向こうでストップウォッチを構える古橋。どうみてもカオスすぎるし何をしているのか検討もつかない。
正直知り合いだと思われたくないから声をかけるのが憚られたが今まで馬鹿共のツッコミを伊達にやってきたわけではない、俺は半ば無意識のうちにツッコミを入れていた。伊達でいいから俺を巻き込まないでくれ。
例の花園事変から一晩明け、俺は奇妙なメッセージに誘われて早朝の十字路にたどり着いていた。
それは某緑色SNSアプリにて昨晩古橋から送られてきた、「明日 6時半 山崎家近くの十字路」という文章。要件を伝えないのはなんとも古橋らしいが、内容が怪しすぎる。
十字路に呼び出しとか俺を軽トラックで轢き殺す計画かとも思ったが、古橋がその後「花園」とだけ送ってきたので俺は数秒で行くことを決意した。べ、べつに可愛い花園のためなんかじゃないんだからねっ！
「古橋くん、ほんとにこの位置でいいの？あ、山西だおはよう」
「俺の計算によると、相手が時速4kmで歩くとしてポイントに到達した瞬間にお前がここから時速7.2km走り出せば完璧だ。ああ山田おはよう」
「お前ら俺のこと嫌いなのか、山崎だ山崎」
道の端に立って不安そうな顔をする花園と、少しドヤ顔をして語る古橋。花園はもはやいつものこととしてお前までか古橋。何だかんだいってどっちも魚類で仲良しなのか。
「あ、ザキだおはよう。早速だけど、ちょっと向こうの角から時速4kmで歩いてきてくれる？」
「いや状況読めねぇよ」
呑気に風船ガムを膨らませながら頼んできた原に、素早く突っ込みを入れた。早くこの不気味な状況を説明してくれ。
そういうと、原、花園、古橋は顔を見合わせて何言ってるのコイツ、という顔をする。
いや俺からすればお前らの方が何だコイツらだからな。
その表情はしだいにえ、ザキ分かんないの？何ザキ童○なの？チェリーなの？という風に変わっていく。
そうだよ悪かったな分かんない上に彼女いなくて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
漫画・声優・アニメ・ゲーム大好きリカント(夜李)(プロフ) - 面白いです！更新待ってます！ (2020年10月20日 18時) (
レス) id: 7e6458e2b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - 征羅さん» ありがとうございます。面白いと思っていただけるように意識してるので、そう言っていただけるのはとても嬉しいです。返信遅くなってしまってごめんなさい、これからもよろしくお願いします。 (2020年1月26日 19時) (レス) id: 718a0c6063 (このIDを非表示/違反報告)
征羅(プロフ) - すごく面白いです。毎回爆笑してます。あからさまに笑いを狙ってないような感じが好きです。今まで俺が見た小説とは違う面白さで、すっかりハマってしまいました！更新頑張ってください。 (2019年10月1日 0時) (レス) id: 44f8e3471a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずりは(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます。受験生なので更新が遅くなってしまいますが、頑張りたいと思います。 (2019年9月23日 20時) (レス) id: 718a0c6063 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 面白いですら楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください！ (2019年8月20日 16時) (レス) id: 74e459d58c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆずりは | 作成日時：2019年5月4日 15時
