【あんスタ】悪役女王にフィナーレを (ページ4)

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ここで気がついた察しのいい者も居るのでは……いや、わかりずらかったかもしれない。女王陛下は姫にたいしては敢えて"よろしく"と告げずに聖女に対しては"よろしく"と告げた。つまり女王陛下は聖女のことを気に入ったのだ。

「はい。よろしくお願いいたします。女王陛下」

『ふふ、礼儀正しい子は好きだわ。
　あんず、私のことはAでいいわよ。
　あ、人が居ないところでなら、ね？』

「！、ありがとうございます。女王陛下」

「ぁ、あの…私は…」

『貴方はもう帰って構わないわ。嗚呼、名前呼びは許可していないわよ』

「ぇ…」

「ふふ、まぁ…俺はちゃんと言ってたんだけどなぁ…
　まあいいや、目つぶって」

「っ、な、なんで…ですか…」

『言ったわよね。礼儀正しい子は好きだわって。
　礼儀正しくない子はあまり好きではないの』

「月永、さんは…」

『あの子は馴染んだだけ。
　初めはもっと堅かったわ。それこそ泉みたいに』

「あ、女王陛下！
　おれあの頃あんまり好きじゃないんだよぉ…」

『あら、可愛らしかったわよ？』

「うぅ～…おれは格好いいがいいの！」

と、女王陛下と歌騎士が言い合いを始めてしまう。こうなれば長くなるのは分かっているので吸血鬼騎士は先に姫を教室に返しに行く。

「ぁ～…俺こいつ連れてってくるね。」

「ええ、行ってらっしゃい。
　ごめんなさいねぇ…あんずちゃん。
　あれが始まると長いのよぉ……
　今日はどっちしらねぇ…」

「では司は女王陛下に」

「俺は今日もレオくんかなぁ…
　いつもそうでしょぉ？
　女王陛下が折れるなんてあんまり無くない？」

これは恒例行事な用で残った３人の騎士達はどちらが先に折れるのかを賭けはじめる。いつも歌騎士が折れているようでやはり歌騎士に賭ける方がいいらしい。

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暫くして2人の言い争いに決着がつく。
なお2人が言い争っているうちに吸血鬼騎士は帰ってきたしなんなら寝てしまった。何時ものことのようだ。

『ふふ、そうねぇ…』

「お？どうしたんだ？やっと折れてくれるのか？」

『あら、違うわよ』

そう言うと同時に女王陛下は歌騎士の腰を引き所謂顎クイ状態になる。突然顔が近づき驚いたのか歌騎士は顔を真っ赤にし、女王陛下は手を離し笑う。どうやら今日も女王陛下が勝ったらしい。

『ふふ、こうやって顔を近づけただけで
　真っ赤になる所が可愛いのよ』

「ぅ～…おれは騎士なんだから格好いいがいいのに…」

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