【結城】純情な愛情【哲也】

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恋をすると 手を繋ぎたくなる･･････か。




それから、無駄に手を繋ぐ事ばかりを

考えてる気がする。




――入試 -１週間前- ――




この日は Aと学校の図書室で勉強をしてから

家路へと向かっていた。




愛は、手の甲が触れ合った時に 手を握れば良いと

言ったが･･････ 俺とAの身長差は

３０センチ程で 手の甲が触れ合う事は皆無だ。




「なぁ、A。手を繋いでみないか？」




周りは恋だと言うが、それがまだ何か解らず

手を握れば、何かが変わるかもしれないと思ったのだ。




「良いけど私の手 ひゃっこいよ？」

そう言って 差し出した右手。




俺は、そんなAの右手を 左手でｷﾞｭｯと握った。




「ﾍﾍﾍ。小さい時に戻ったみたいだね。」

なんだか嬉しそうに 笑い混じりに言ったAに

俺は聞いた。




「最後に手を握ったのが いつか覚えて居るか？」




「小学校１年生の時だよね。

それから哲は 私の手じゃなく

野球道具を持つ様になったから それが最後だよ。」




「そうだったか。」と、俺は呟いた。

いつも通り 辺りが暗過ぎて見えない表情だが

ﾓﾔﾓﾔしないのは 手を繋いで居るからなのだろうか？

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