Tu aimeras les gens et tu vivras fierement〈第八章〉 (ページ50)

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女神の大樹…またの名を"イヴ,, ページ50

「んふふ…ちょっとは元気になった？」

　この3000年(最近)、こうしてマーリンと二人っきりで話すことはあまりなかった。だから、昔に戻ったみたいで楽しかった

「私が慰められてどうする」

「だって、慰められるの苦手なんだもん。人を慰める方が得意なのよ、おねーさま」

「泣かせてしまった奴を慰めるのは苦手な癖に意外だな」

「ほら…それはその……どう慰めたらいいか分からないのよ」

　人に泣かれることは非常に苦手…を通り越して恐怖すら感じる。何故なら、人に泣かれると十中八九責められるから。私が被害者だとしても泣かれると形勢逆転…一気に加害者になってしまう。やはり、この無駄に威圧感のある顔が問題なのだろうか。それとも、我が身可愛さがバレているのか

『あ〜！姫しゃまとマーリンだ〜！」

　背中にドンッという衝撃が走ると共に懐かしい声を聞いた

「うごっ！！？」

　背中に火の精霊(サラマンダー)、水の精霊(ウンディーネ)の愛の抱擁(タックル)を受け、女神らしからぬ悲鳴を上げてしまった

「久しいな、サラ、ディニー」

『ひさしぶり〜！あのねあのね、イヴしゃまが姫しゃまを呼んでるよ〜？』

「イヴが？」

　イヴ、とは『精霊の森』に鎮座する大樹だ。何でも言える存在で長く生きているだけあって持っている知識も豊富だ

「いけ、ティナ姉」

「…いいの？」

「イヴ殿を蔑ろにするつもりか？」

「…ありがと。また後でね、マーリン」

「ああ」

　大人の女性になり、瞬間移動(テレポート)で金色の魔法陣と共に消えたマーリンに見送り、"女神の大樹,,の内部に転移した