糖分10% ページ10
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私は台所に立つ。
これでも料理は得意な方だ。
食材や調理器具はそれなりに揃っていた。
あまり自分で料理する人には見えないけれど。
前に一人暮らしをしていると言っていたので、たまに誰かが作りに来るのだろうか。
お母さんか、…それともやっぱり恋人?
ずき、と胸が痛くなる。
私はふぅ、と息をつき、料理に集中しようと決めた。
この材料なら、肉じゃがが無難か。
そう思い肉じゃがを作っていく。
どのくらい食べるのだろう。
不死川さん、普通の男の人よりも大きいからな…
少し多めに作っておくか。
そうな事を考えながら料理を進めていくうちに、楽しくなってしまって、不死川さんがお風呂から上がっていることに気づかなかった。
鍋で煮込んでいるとき、
実「…肉じゃがかァ」
そう話しかけられて初めて不死川さんが後ろに立っていることに気づいた。
『はい!お風呂、あがられていたんですね。すいません気づかなくて…』
そう言って振り返る。
が、私はそこで固まってしまった。
胸元を開けた着物に、火照った体。
とてもかっこよくて、顔に熱が集り俯いてしまう。
実「んだよォ」
私は慌てて台所に向き直って、
『なんでもないです!もうすぐ出来るので、待っていて下さい!』
そう言った。
不死川さんは部屋に戻っていく。
…悔しい。今日は不死川さんにドキドキさせられっぱなしだ。
私にも人をドキドキさせられるくらいの魅力があれは良いのに。
考え事をしている時はあっという間に時間が過ぎるもので、すぐに料理は完成してしまった。
不死川さんは出てきた料理を見るなり、「おぉ、」と声をもらす。なかなか上手く出来たつもりだが、問題は味だ。
いただきます。そういって私の料理を口に入れる。
固まる不死川さんに不安が募って、
『…えぇっと?』
そう尋ねてみる。やはり口に合わなかったのだろうか。
すると、不死川さんは
実「…美味ェ」
そう、ポツリと洩らした。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時