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『…雨?』
私がそう呟くとほぼ同時に、視界から不死川さんが消える。
何かを被せられた、という事に気づいたのはそれから2秒ほどたったあと。
不死川さんに呼びかけるも、黙ってろ、と言われてしまった。
それから不死川さんは私を抱え上げ、走り出した。
雨の音が聞こえる。
私は何が起きているのか分からなくて、被された布からはい出ようともがく。
しかし、私を抱き抱えている不死川さんの腕がそれを許してくれる訳もなく。
今どこを走っているのだろう。
そんな疑問もつかの間、不死川さんは止まり、私を降ろした。
布をとられて、視界が明るくなる。
私が被っていた布は不死川さんの羽織。
走り出してからそれほど時間は経っていない。
家の近さに驚いて顔を上げると、そこにはびしょ濡れの不死川さんが居た。
羽織をとる時に少し触れた手はとても冷たくなっていて。
一気に申し訳なさが募る。
『私なんて本当に置いて行って下さったら良かったのに…』
そう言うと、家の中で待っていろと言われた。
雨はさっきよりも強くなっている。
行くぞ、と部屋に上がる不死川さん。
いつも着ている羽織は無く、肌蹴た着物から見事な筋肉が見える。
髪からはぽたぽたと水が滴っていて、
申し訳ないはずなのに、いつもとは違うその色っぽさにクラクラする。
お風呂場に向かってしまう不死川さんを慌てて呼び止めた。
そして、
『夜ご飯、作ってもよろしいですか?』
そんな事を口走っていた。
言ってから後悔する。
不死川さんに恋人でも居たらどうするんだ。
居なくても、こんな女に料理など気持ち悪いに決まっている。
だけど、
実「…頼むわァ」
そう言って濡れた前髪をサラっと掻き上げる不死川さんに、心臓がトクン、と脈打つのが分かった。
出会って約1ヶ月。
自分の中に募るこの
見て見ぬふりをする事など、もう出来なかった。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時