【twst】今宵、悪役たちと。Ⅱ【mfmf】 (ページ31)

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孤独の音楽家ページ31

あぁ、また、ダメだったんだ。

俺の音楽は、認められなかった。

そもそも、みんなでヤッホーだなんて、どんな歌だよ。俺らは本気で、必死に、徹夜までして曲を作ったってのに。

それに、マフユはなんで笑ってられるんだよ。自分の音楽は、ロイヤルソードアカデミーのあの巫山戯た、音楽とも言えないような代物に負けたって言うのに。

こんなの、こんなの…絶対、俺は認めたりなんかしない。

絶対、絶対に…！！

『そらるさん？何かあったんですか、そんな思い詰めたような表情。』

「…いや、なんでもない。」

こんな嫉妬の塊を、まだお前には見せれないんだよ。

だから、今は少しだけ、我慢。

この黒いインクのような液体も、見ないふり。

「そらるさーん！って…うわっ、マジカルペンが！」

あ、俺もしかして、オーバーブロット寸前だったのか…？

危ない危ない。まさか自分がこうなるなんて思ってもなかった。

『え、これ…や、やばいっ！マフユ、今すぐ走って！』

「え、お姉ちゃん？まだオーバーブロットはしてないけど…？」

『ここまで魔法石が黒く染まってるなんて…早く逃げないと、マフユが巻き添え食らう。』

「いやいや、そんな大事でもねぇよ。大丈夫だから…って、マフユはもう行ったか。」

『全く、そらるさんまでオーバーブロットしたら大変すぎるんですよ…一旦全部吸い取っておくんで、安静にしててくださいね。』

「はいはい。お前のその魔法、ほんと便利だよな。」

俺には持っていないものを、みんな山ほど持ってる。

だから俺は、人間が嫌いなんだ。