【おそ松さん】ガラスの猫は銀の月に落ちる

４１松　夢主side ページ43

夢主side

　
一松さんがデカパン博士という人と文通ができた日から二日経った。



「一松さん、お茶淹れたので飲み………あれ？」

「……」

「(……寝ちゃってる)」

　

お盆に湯飲みを二つ載せて縁側に行けば、そこにはメガネ猫ちゃん、もといエスパーニャンコを頭に乗っけてうたた寝してる一松さんがいた。

その周りで最近仲良くなったらしい猫ちゃん達もゴロゴロしている。

　
・・・。

めっちゃ和みますこの光景。
ねこパラダイス万歳。

　
猫達が逃げないようにそっと一松さんの隣に座って自分の湯飲みを持つ。

確かにこんなにいい陽気だと眠くなっちゃうな。

一松さんの顔を見れば、いつも眠たげな半目も完全に閉じられていて、初めて見る柔らかな寝顔を不覚にも可愛いと思ってしまった。

そんなこと言ったら怒られそうだから言わないけど。

　

空に目を向けて、ぼーっと私も陽気に浸る。

　
……。
　
一松さんが来てから大体今日で一週間。
一回ごとに満月が上るのは大体一か月ずつ。

となると、一松さんが帰るのはあと約三週間といったところか。


まぁそう思ったところで、特に悲しいとか、寂しいとかはまだないんだけど。

……でも、…お別れする時はきっと、悲しいとか思うんだろうな…。

　
今はまだお互いの事を知らな過ぎるけど、これから過ごしていく内に色々知っていくんだろうなって思う。
その分お別れする時に辛くなるってことも。


その事もちゃんと踏まえて、一松さんともっと仲良くなっていこうと思う。


それよりも辛いのは、本当の意味で一人になることだから…。


空に浮かぶ雲の動きを観察しながら、お茶を一口啜った。

　

もう春が終わるなと思わせる午後のこと。

　

お知らせ・補足→←４０松

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す