３６松 ページ38
ーー…
『元気になったみたいで良かった』
『お腹が鳴るってことは身体が元気になろうとしてる証拠だから。食欲があるみたいで一先ず安心かな』
『この調子でもっと元気になってくれればいいな』
『でも、さっきのは怖かった。ちょっとやばかった』
――…
「(…結局謝れてねぇ…)」
居間でボーっとテレビを見ながら盛大な溜息をもらした。
あの後彼女とそこそこ夕飯食って、デカパン宛に手紙を書いて、風呂入って寝て、久々に快調な朝を向かえ、朝飯もそこそこ食って、いつもと同じなんでもない午前の時間。
昨日のことで僅かに俺達の距離は縮まったとは思うけど、情けないことに肝心なことは結局伝えられていないままだ。
彼女はニャンコを通してではあるけど…ちゃんと本心を伝えてくれたというのに…。
先を越された感じがして少し悔しい。
…でも、そう思いながらもすごく嬉しかった。
心から俺のこと心配してくれてたんだなって…。
で、最初から俺を気遣う言葉をかけてくれてたのに、ニャンコを通してでないと信用できなかったことに申し訳なさを感じて…。
「…今日こそは絶対」
「松野さん！」
「ヒェッフ」
前触れなしに襖が開いてビクッた。
「ふふ、ヒェッフって」
「うっせぇ」
「すみません、ふふ…」
睨みながら言ったけど全然動じてねぇ、順応力パネェ。
彼女はこれから山に登るようで、ジャージの上下に着替えてリュックを背負っていた。因みにまさかの学校ジャージ。初めて山に登った時はもっと重装備だったと思うけど…。
「そんな装備で大丈夫か？」
「大丈夫だ、問題ない。…って言えばいいんでしたっけ？」
「そうそう台詞合ってる。じゃなくて、ほんとに大丈夫なのそんなんで？」
「大丈夫です、思ってたより近い所にあったので。それでちょっと提案があるんですけど、松野さんも一緒に行ってみますか？」
「え、なんで？」
「帰る時の為に道覚えといた方がいいかなって」
「…一理あるけど、結構歩くんじゃないの？俺実際歩きすぎて倒れたし」
「大丈夫だと思います。本当に思ったより近いので」
「………途中で倒れたらヨロシク」
「はい！じゃあ買っておいたスニーカー出しておきますね」
て訳で久々の外出が決定した。
…流れで返事しちゃったけど本当に大丈夫かな？あの時はほんとに死ぬ程歩いたから近いとは思えないんだけど…。
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渚(プロフ) - 月花さん» 月花さんコメントありがとうございます！この時のイラストはazpainter2を使用して１から描いていました。今はクラスタを使っています。 (2020年2月3日 19時) (
レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
月花 - 前もこの小説を読ませていただきました。でも松沼にハマっているのでまた読ませていただきます。 絵上手いですね、どうやって描いてるんですか？ (2020年2月3日 17時) (レス) id: a919e6fca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 投稿頑張ってください！！ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆっこ - 一気に見ちゃいました！大体3時間位かな？ (2019年8月31日 18時) (レス) id: c52c09b210 (このIDを非表示/違反報告)
渚(プロフ) - ふゆっこさん» ふゆっこさんコメントありがとうございます！天才だなんて恐れ多い…、でもとても嬉しいです、閲覧ありがとうございます！ (2019年8月31日 17時) (レス) id: b81e412f98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渚 | 作成日時：2016年2月15日 17時
